madajimaとの会話

たまたまここを訪れてくれた方を一笑い吹かせるために、赤の他人との「どうでもいい会話」や自分の「どうでもいい思考」を載せています。

D データからJリーグを見てみよう - あなたのチーム、ローテしてますか? 3分の1が終わったJ2編

2020年8月15日のファジアーノ岡山アルビレックス新潟の試合。

新潟のアルベルト監督は、中二日にも関わらず、疲れのたまった主力選手をほぼそのままスタメンで出していた。

結果は、前半で怪我人のアクシデント、身体の重さでチャンス作れず、後半終了間際で失点の0−1。

怪我をしたのは、前の試合で57分出場した、右サイドハーフ32歳のロメロ・フランク

 

僕は試合後に思った。

もし、そのロメロのところで、これまで出場試合ゼロの若い選手、例えば森俊介を使っていたら?

前線でも、前の試合で57分出場した30歳のシルビーニョではなく、これまで出場時間45分の矢村健を使っていたら、もっと走れてスペースを作り、チャンスも作れていたのでは?

センターバックも、途中交代したマイケル・ジェームズを最初から休ませて、今季2ゴールの田上を起用していたら?

中盤も、前試合に出場がなかった19歳の秋山を使っていたら?

 

そんな「たられば」が積み重なり、僕は「新潟はローテーションをしていない!」と思い込み始めた。

「他のクラブはもっとローテーションをしている!」と。

ストレスがたまってきた僕は、「このストレスをデータで現してみる!」と意気込み始めた・・・。

 

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Jリーグ公式データを使って、今季のこれまでの出場時間をボックスプロットにしてみた。

左から、現在の順位表の順番に並んでいる。

 

簡単な説明:

上下の線に挟まれた真ん中の箱が小さければ小さいほど、これまでシーズンを通してローテーションをして、ポジションごとの競争力があるチーム。

逆に、真ん中の箱が大きければ大きいほど、主力選手とサブ選手の出場時間の差が大きい、一定の選手が多くの時間に出場している、つまり、ローテーションをあまりしていないチーム。

 

詳しい説明:

頂点と底の細い横棒が最大値と最小値。

箱の底辺が25%地点、上の辺が75%地点、真ん中の横棒が中央値。

なお、出場時間ゼロの選手はカウントに入れていない。

アルビレックス新潟の例で言うと:

  • 一番下の横棒が、最短12分出場の田中達也
  • 箱の底辺が、出場24人中18番目(下から25%番目)に多い340分の早川史哉
  • 箱中の線が、出場24人中12番目(下から50%番目)に多い599分のファビオ
  • 箱の上辺が、出場24人中6番目(下から75%番目)に多い755分の秋山裕紀
  • 一番上の横棒が、最長1125分出場のマウロ

となる。

 

ここで驚いた。

アルビレックス新潟の箱は、中々小さい。

と、いうことは、ポジション争いが激しく、各選手の出場時間は25%〜75%の間に密集している、ということになる。

スタメンで出ていた選手が怪我をしたり、新しく選手を獲得したことも手伝ったかもしれない。

これは、最も主力とサブの出場時間に差がある町田ゼルビアと比較すると明らかである。

全試合時間の1260分中、8割の1000分以上出たのは、アルビは4人だけで、ゼルビアは9人。

逆に、500分以上出ているのはアルビが15人とゼルビアが10人、となる。

 

選手

時間

選手

時間

マウロ

1125

秋元 陽太

1260

渡邉 新太

1096

奥山 政幸

1260

新井 直人

1074

平戸 太貴

1258

舞行龍ジェームズ

1052

深津 康太

1257

藤田 和輝

810

佐野 海舟

1257

秋山 裕紀

755

髙江 麗央

1256

ゴンサロ ゴンザレス

740

小田 逸稀

1222

島田 譲

687

水本 裕貴

1115

シルビーニョ

669

吉尾 海夏

1015

中島 元彦

657

安藤 瑞季

753

本間 至恩

609

マソビッチ

493

ファビオ

599

中島 裕希

333

田上 大地

599

ジョン チュングン

330

ロメロ フランク

577

ステファン

307

堀米 悠斗

555

土居 柊太

178

 

今更だが、ここでようやく思い出した。

アルベルト監督の方針として、「どのポジションにも二人以上スタメン候補を置き、常にチーム内のポジション争いを意識させる」みたいなことを、DAZNの実況の人が言っていたのを思い出した。

そうか・・・アルビ、ポジション争い激しく、みんな試合に出ようと頑張っている中、アルベルト監督は練習で一番出来ている選手を選んでいるのか。

それじゃあ、「元気だから」という理由だけで選手を出す訳にもいかない、か。

ごめんなさい、アルベルト監督・・・。

あなたは素晴らしいです・・・。Muy bien...。

 

さて、と、なると、次に気になるのは、「ローテーションは是なのか?」ということである。

そもそもの始まりは、「ローテーションすべきだ!」と声高々に叫んだこと、つまりは「ローテーション無しに昇格はない!」という僕の考え、感覚、経験論から来ている。

その考えは果たして合っているのか?

ローテーションは是なのか?

僕が「当然」と思っていたことは「当然」なのか?

それでは、2019年の同じデータを見てみよう。

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現在と同じ14節時点で自動昇格圏内にいたのは、山形と水戸である。

そして、どちらも箱が大きい。

水戸に至っては75%地点と中央値がリーグ内で最大だ。

選手が相当固定されていたことが窺える。

そして、シーズン終了時、山形は6位、水戸は7位に沈んでいる。

序盤でメンバーを固定し過ぎたせいなのか・・・?

 

一方、14節時点で12位だった横浜FCは、シーズン終了時には2位まで上り詰め、堂々と自動昇格を達成している。

そして、14節時点の箱の大きさを見てみると・・・小さい!

リーグ内で一番小さく、中央値も2番目に小さい。

序盤戦のポジション争いがチーム内の成長を促し、後半戦の上昇の大きな要因になった、と見ることができる。

 

よって、この2019年の例を見ると、ローテーションは是、なのか?

ローテーションをしたチームが中盤戦以降に伸び、ローテーションをしないチームが順位を落とすのか?

 

いや、2019年、一番箱が小さかった、つまりは一番ポジション争いが激しかったのは、J3に降格した最下位の岐阜である。

チームが中々勝てなかった故にメンバーチェンジを多く行い、そしてそれ故に戦術をまとめることができなかったのだろう。

ローテーションが功を奏しなかったパターン、という事か。

 

よく見てみると、中盤から終盤にかけて順位表を駆け上った横浜FCは、シーズン終了時には箱がそれなりに大きくなっている。

つまり、序盤色々と試していたものの、中盤からはだんだんとメンバーを固定していった、ということだろう。

よって、「ローテーションが多ければ多いほど良い」という訳でも無さそうだ。

 

また、優勝した柏レイソルみたいなクラブになると話も変わってくる。

最近発表されたレポートによると、2019年のチーム人件費は29億と、J2の平均の4倍を誇っていて、J1のほとんどのクラブよりも多い。

こうなると、ローテーションがどうであれ、昇格するのが当然だったと言わざるを得ない。

 

よって、「一概には言えない」というのが答えだろう。

ローテーションをするだけでは昇格できない。

大事なのはローテーションの量だけではなく、質。

それが分かった。

と、なると、日頃から現場で見ている監督、コーチが決めている出場選手に、DAZNで試合しか見ていない僕がどうこう言うのはおかしいのだろう。

ポジション、年齢だけを見たローテーションなら僕でもできるが、質の良いローテーションとなると、知識と経験則のあるMuy bienなアルベルト監督じゃないとできない。

すでに、僕の怒りはだんだんと恥に変わってきた。

 

面白くなってきたので、2018年の同じデータも見てみた。

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14節時点で箱が大きかった山口、栃木、熊本、岐阜、それぞれ5つ以上順位を落とした。

一方、同じく箱が大きかった東京Vは、12位から6位まで順位を上げて、J1参入プレーオフに出場、それを勝ち抜き、最終的にはJ1のジュビロ磐田との入れ替え戦にまで上り詰めた。

よってこれも、「ローテーションは是か」という問いに対し、「一概には言えない」というのが答えだろう。

 

さて、最後にもう一度、今季の14節までのデータを載せる。

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皆さんは改めてこれを見て、どう思うだろうか。

 

今年は、前例にない過密日程だから、ローテーションの量が質よりも大事になる?

よって、このグラフの箱の小ささと順位の高さが、前年度以上に関係してくる?

去年の柏レイソルのような、戦力で抜きんでたチームがいないから尚更?

と、いうことは、ローテーションを多くし、ポジション争いの激しさを保ちながら、勝ち点を順調に積み重ねている長崎がこのまま突っ走りそう?

箱の大きめな北九州、徳島、磐田は落ちてくる?

箱の小さめな新潟、大宮、千葉が上がってくる?

いやいや、こんなグラフ関係ない、勝ち点差が十分ついていて連勝街道をまっしぐらの北九州が、このまま走り抜いて昇格する?

 

これらは全て、僕の頭を駆け巡った問いである。

その答えは12月にならないと分からないが、シーズンの半分を折り返した第21節に、その経過を見てみたいと思う。

 

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読んで頂きありがとうございました。

この他、色々な分析をしようと思っています。

  • 「5人交代できるけど、何人変えてる?」
  • 「ゴール、何点じゃなくて、何人決めてる?」
  • 「昇格する上で大事なの、守備、それとも攻撃?」

それらを基にした昇格予想も、シーズン折り返しの21節ごろにできたらと思います。

もちろん、J1もやっていきたいですね。

また、直近5試合のローテーション具合や、各クラブ#ツイート数ランキングなど、様々な情報をツイートしているので、是非、Twitterのフォローをお願いします〜。