madajimaとの会話

たまたまここを訪れてくれた方を一笑い吹かせるために、赤の他人との「どうでもいい会話」や自分の「どうでもいい思考」を載せています。

A 失敗する投資日記 その4

株価が20円上がった瞬間にアシックスの株を売ることにしたmadajima。

果たして上がるのか? 売ることになるのか?

そしてその判断は成功か、失敗か?


7月6日の月曜日。

今日も在宅勤務の日だ。

朝9時からアパートで普通に仕事をして、1時間ほど経った時、散歩に行くことにした。

そしてその時、たまたま自分のスマートフォンの画面を見た。

すると、「約定通知」という題名のメールが届いていたのが分かった。

これはもしかして、と思ってメールを開くと、アシックスの株が、僕のリクエストした株価、1250円まで上がり、売られたのだった。

なんということか、市場が開いて1時間ほどで、20円以上も上がったのだ。

急いでGoogleでチェックすると、アシックスの株価は20円どころか30円も上がっていた。

え!

どういうこと!

なんでだ!

アシックスなのに!


とっさに頭に浮かんだのは、小池都知事の再選だった。

昨日、都知事選挙が行われ、小池百合子現職が当選していた。

そのせい?

それで、こんなに上がるのか?

小池効果か?


僕は散歩をし始めた。

そして、考え始めた。

やはり、売らない方が良かったんじゃないか。

ここまですぐに上がるなんて・・・。

いや、ここから下がるに決まっているんだ。

長い目で見ると、どんどん下がるに違いない。

だから、2000円の儲けが出ただけでも良いんだ。

・・・。

でも、もしかしたらこれからどんどんグングン上がるかも・・・。

・・・。

いやー!

いやだ。

もう、やめよう。

今は勤務時間中だ。

仕事に集中しなければ。

株のことなど考えたくもない。

とりあえず、キッパリと株のことは忘れ、アシックスのことは忘れ、仕事をしよう。

よし、そうしよう。

ありがたいことに、散歩用の靴はアディダスだ。アシックスのことなど考えなくていい。


そうやって、僕は仕事に集中し、18時を迎えた。

毎週月曜日にやっているヨガをし、シャワーを浴びてご飯を食べ、そしてアシックスのことを考え始めた。

なんであんなに上がったのか。何が起きたのか。

今度は仕事のことを忘れ、自分のプロジェクトについて考える時だ。


インターネットで調べてみると、株価の上昇はアシックスだけの話ではないようだった。

中国の株式市場が良い感じになったから、日本でも良い感じになったらしい。

日経平均株価は400円も上がったそうだ。

・・・はあ?

中国?

ああ、そうか、中国はCovid−19で経済に大打撃を受けていたから、市場も大変なことになっていたのか。

それで、全体的に元気がなかったところ、元気が出てきた、そういうことか。

大怪我でしばらく休んでいたサッカー選手が、徐々に試合に出始め、怪我をする前の調子に戻ってきたようなものか。

それで、選手の価値が元に戻り始めた、みたいな。

なるほどね。

中国は、世界の注目を浴びる大スター選手だもんな。


ちなみに、ニュースの下の方にはちゃんと、「株価上昇は、小池百合子都知事再選とは関係が無い模様」と書いてあった。

知事選の結果が株価に影響が出ないとは、東京も小さいものだ。

日本の市場は、東京うんぬんかんぬんより、中国、米国に影響を大きく受けるということか。

おもしろいものだな。

またここでひとつ学んだわ。


そうやって感心してから、株式投資についての勉強を昨日のように始めた。

勉強の教科書は、今回も個人投資家の方々のブログだ。

色々ブログを見ていると、「業績好調な割安株への投資」を投資スタイルにしている「ロイナビ」さんのブログに行き着いた。

この人は「高配当株ランキング」「割安株ランキング」なるものを作っていて、「おお、まさしくこれが俺の求めるものではないか!」と興奮した。

それじゃ、この人がおすすめする株を買えば良いんじゃないか?

そして、その人がおすすめする理由、考え方なんかを学べば、自分もその考え方を身につけられるんじゃないか?

おお、なんか道が見えてきた!


このロイナビさんが基準としているのは以下の6つとのこと。

業績は成長している?
利益率は高い?
キャッシュフローは潤沢か?
財務は健全か?
株価は割安か?
配当や株主優待は充実している?

「高配当株ランキング」を見てみると、堂々の1位は、かの有名なKDDIだった。

そのKDDIについて、投資家さんは6つの基準に沿って詳しく分析していた。


業績は成長している?

スマートフォンの普及とともに急上昇、近年はやや頭打ち。

利益率は高い?

◎ 高い! 20%。10%で良好なので、抜群に良い。

キャッシュフローは潤沢か?

◯ 設備投資を上回る金額を稼げている。

財務は健全か?

自己資本比率が46%。40%で優良といわれるので、かなり良い。

株価は割安か?

◯15倍が通常のPERが11倍で、やや割安。

配当や株主優待は充実している?

配当利回り3.8%。平均は2%なので、十分高い。優待もカタログギフト。


という感じらしい。

なるほどね。これは分かりやすい。

KDDIが優良企業で、配当金目的の投資に向いていることがよく分かる。

じゃあ、自分も、この6つ基準にして会社を分析すれば良いのか。

・・・それじゃあ、アシックスを分析してみよう。

自分がたった今日売り払った、アシックス。

果たしてその判断は正しかったのか?

それをちゃんと分析できないと、前には進めない。


業績は成長している?

△ この5年間で売上高はだんだん下がっている。

利益率は高い?

△ 2015年には6%だった営業利益率も、2018、19年には3%に落ちている。

キャッシュフローは潤沢か?

△ この2年間は現金を多く失っている。

財務は健全か?

◎ 2015年の57%から2019年には48%まで落ちているが、それでも優良。

株価は割安か?

△ 2020年の予想業績を元にした予想PERは32倍で、割安とは言えない。

配当や株主優待は充実している?

配当利回りは2.43%と平均より高め。優待はアシックス商品20%オフクーポン。


・・・はあ。

今日、アシックスを売ってしまったことを後悔し始めた。

一切知らなかったが、アシックスは財務がかなり健全のようだ。

業績が多少下がっているとは言え、貯金はいくらでもある。

そうだな、そう考えると、売ってしまったことよりも、PERという一つの指標だけを見て行動を取ったことを悔いるべきだ。

ロイナビさんがやっているように、様々な指標を総合的に鑑みて行動した方が良いんだな。

・・・まあ、しょうがない。売ってしまったものは売ってしまったんだ。

次を探そう。


このランキングで一位になっているKDDIを買うことも考えたが、KDDIはぶっちゃけ好きじゃない。

自分の好き嫌いをお金の判断に持ち込むのが良くないのは知っているが、KDDIにはあまり良いイメージが無い。

ソフトバンクもそうだが、アホみたいなCMで人を釣り上げ、超複雑な契約内容で通信料金をむしり取っているのが許せない。

それはマーケティングの成功に違いないのだが、僕の倫理論にそぐわない。

もちろん、投資家にとっては、そんな倫理観なんかよりも数字の方が大事なのは分かっている。

ただ、KDDIの株価は3000円辺りなので、株を買うとなると、最低100株を買わなくてはいけなく、つまり最低でも30万をこの会社の株に注ぎ込まないといけない。

となると、好きでもない会社に予算の3割を持っていかれたくは無いのだ。


と、いうことで、このロイナビさんのブログのもう一つのランキング、「割安株ランキング」を見てみようかな。

どうやら「エイジス」という会社が一位になっている。

エイジス? イージス艦のこと?

聞いたことがない。


業績は成長している?

アベノミクス開始の2014年以降、右肩上がり。ただ、景気が悪くなるとかなり下がる恐れ。

利益率は高い?

◎ 高い! 14%。10%で良好なので、かなり良い。

キャッシュフローは潤沢か?

◎ 現金がどんどん増えている。増えすぎていて、逆によろしくないレベル。株主還元か、ビジネスへの投資をした方がいいのに。

財務は健全か?

自己資本比率が75%。40%で優良といわれるので、かなり良い。

株価は割安か?

◯ PERは10倍で、割安。

配当や株主優待は充実している?

配当利回り2.2%と平均的だが、配当金額は上昇傾向。優待はクオカード。


なるほど、さすが一位、6つの条件全て大いに満たしている。

ちなみに、見たことも聞いたことのないこの会社のビジネスは、棚卸しの外注。

そんなビジネスがあったのか! と驚いた。

会社の名前だけでなく、ビジネスの中身自体も聞いたことがなかった。

その棚卸し外注ビジネス、日本だけにおさまらず、ノウハウを東南アジアの国々にも広げているようだ。

海外にはまだ、「棚卸しの外注でビジネスをしよう!」という会社は少ないのかもしれない。未開のビジネスということか。

ふーん、良いじゃん。

エイジス、良い感じじゃん。

これ、買おう!

悪いところが見つからない!


僕は、早速カブドットコムのウェブサイトを開いた。

2回目となると慣れてきて、アシックスでやったようなプロセスをサクサク踏んでいった。

ただ、ここである異変に気付いた。

NISAの残高である。

以前書いたように、NISAは1年間で120万円分、株式投資の税金が免除される。

1週間前にアシックスの株を買い、そして今日売ったため、残高は120万円に戻っている、と思っていた。

だが、現実は違った。

NISAの残高は「1,077,000円」となっていた。

アシックスの株を買った時に費やした123,000が、なんと戻っていないのだ!

売ったのに!


だが、良く考えたら、残高は戻っていないのが自然である。

120万円分「買った」株に対して税金がかからない。

買った額ベース。

その株を売ったかどうかは関係ない。

そう、だよな・・・。

そうに決まっているのに・・・どこか勘違いしていた。

アシックスの株を売るとき、このNISAのことは全然考えていなかった。

考えていなかったがゆえに、NISAの12万3千円分をかなりもったいなく費やしてしまった。

もし、アシックスの株を持ったままなら・・・何年も配当金をもらい続ければ、その分の税金がかかっていない分、得していたのだ。

・・・はあ。

それを知らずに、僕はPERを見ただけで怖がって、ビビって、売ってしまった・・・。


買ったことは間違いではなかった。

売ったことが間違いだったのだ。

買ったことが間違いだと思って、売ることが正しいと思っていたのに、その逆だった。

あれだな、サッカーに例えると、「こいつよく試合に出てるけど使えねえな、外せよ」って思っていて、本当にその選手がスタメンを離れたら、その選手の大切さに気づき、「うわ、あいつ実はめっちゃ良い選手だったんだな。外せよって言ってゴメン」って言いたくなるのと似ている。

アシックス・・・信じてあげられなくてゴメン。

俺がバカだったわ。

自分に・・・腹が立つぜ。


あー!

ああ!

失敗している!

もう、俺、投資にめっちゃ失敗している!