madajimaとの会話

たまたまここを訪れてくれた方を一笑い吹かせるために、赤の他人との「どうでもいい会話」や自分の「どうでもいい思考」を載せています。

madajimaがパクられた

パクり、というのは嫌なものである。

何より、パクられた、と嫌疑をかけられるのが嫌だ。

よつばと!」という漫画をご存知だろうか。

今でも続いている、5歳の少女のほのぼの系の日常漫画である。

世界中の老若男女に愛されていて、この漫画がきっかけで日本に興味を持った、という外国人が数多くいる。

こんな、日本文化の窓口にすらなっている漫画を僕が知ったのは、中学生の頃、家の近くのセブンイレブンに寄った時だった。

漫画コーナーに「よつばと!」の第1巻が置かれていて、「あ、これ、見たことある絵だな」と思って、なんとなく立ち読みをした。

どの漫画と同じ作者か思い出せなかったが、これがめちゃくちゃ面白かった。

何度も吹き出しそうになって、この世界観に、日常から笑いを見つける無垢な少女の世界に、すっかり惚れてしまった。

一気に全部読み切り、その上で購入した。

そして、家に帰ってもう一度読み切った。

すげえ、この漫画、すげえぞ。

なんか、もう、よくわかんないけど、すげえおもしろい。

それから、すでに5巻まで出版されていることを知った僕は、近くの本屋に行って全部買った。

それがまた全部おもしろい。

この漫画はおもしろい。

また、学ぶ事も数多くあった。

Enjoy Everythingという言葉は僕の頭に強く刻まれた。

何も起きていないのに、おもしろい。

「何もない」が、そこにはあったのだ。

 

ここまで感動することがあったら、どうするか。

人に伝えるしかないのである。

週末の午後、いつも通りスマブラをしに、星君の家に友だちと遊びに行った。

その時に、僕はよつばと! を1〜5巻全部持って行った。

「この漫画、めちゃくちゃおもしろいよ!」と、同じく遊びに来ていたみんなに強く薦めた。

「へえ、なにこれ」

「もしかしてこれ、萌え系の漫画?」

「madajima、ロリコンなの?」

と、表紙だけでそういうことを言われたが、みんな読み始めると、

「おもしろい」

「めっちゃウケる」

「やべーじゃん」

と、賞賛の嵐となった。

この漫画を発掘した自分を誇りに思いもした。

ありがとう、セブンイレブン

立ち読みさせてくれてありがとう。

僕は鼻高々となった。

 

その時、星君の家にいた友だちは、中学校でみんなに言いまくった。

よつばと! っていう漫画があってだな」

「めっちゃおもしろいんだぜ」

「死ぬほど笑ったわ」

だが、ここで、大きな壁が立ちはだかった。

井口君である。

「あ、よつばと! 知ってるよ。『あずまんが大王』と同じ作者だったから、俺、一巻だけ買ったんだよね。でも、あんまりおもしろくなかったから、それから買わなかったわ」

なんと! よつばと! をおもしろくないとは!

「いや、だんだん味わい深くなって、おもしろくなっていくんだよ」

「madajimaの読んでみ」

「絶対おもしろいから」

と、いうわけで、僕はその放課後、よつばと! を持って井口君の家に遊びに行くことになった。

よつばと宣伝部」と言わんばかりの存在になった、星君家メンバーと一緒に行って、ついでにスマブラもした。

僕たち星君家メンバーがスマブラをしている間、井口君は集中して僕のよつばと! を読み進めた。

すると、「アッハッハ!」と笑い声が聞こえてきた。

井口君である。

「何これめっちゃウケる」

「なんだよ、こんな面白くなるのかよ」

「めっちゃ良い漫画じゃん」

星君家メンバーと同じように、井口君も賞賛の嵐を巻き起こした。

「そこ、めっちゃウケるよな」

「ってか、ここ、面白すぎて反則だろ」

「やべーよ、まじでそこは」

それからスマブラの手を止め、みんなでよつばと! 座談会となった。

 

ここまでは、すごく良かった。

僕がよつばと!セブンイレブンで見つけ、5巻まで全部買い、みんなに読んでもらって、みんなが大喜びした。

だが、ここからが問題だった。

次の日だか、次の週だったか、学校で、僕に「パクり疑惑」がかかったのだ。

「madajimaがさー、パクったんだよね、よつばと!

そうクラスメイトに話していたのは、なんと井口君だった。

井口君が、僕にわざと聞こえるようにして、「madajima、まじでパクり魔だわ」と話していた。

「え? どういうこと?」と僕は驚き、井口君の元へと歩いて向かった。

僕がセブンイレブンで第1巻を買い、2〜5巻を本屋で買った。

誰から盗んだものでもないのだ。

「もー、madajima」と、井口君が僕に呆れ顔をした。

「俺が最初に1巻買ったのにさ、何パクってんだよ」

「あたかも、自分がよつばと! を発掘したみたいに振る舞うの、やめてほしいわ」

ここで、井口君が言いたいのは「俺が最初によつばと! を見つけたんだ」ということだと気付いた。

要は、「発掘権」みたいなのを、僕がパクったと言いたいのだろう。

僕はこの主張に、戸惑うしかなかった。

一体なんと言って言い返せばいいか、わからなかった。

僕は、セブンイレブンでたまたま見つけた訳であり、井口君の家で見つけた訳ではない。

また、当の井口君は誰にもよつばと! を広めた訳ではなく、「おもしろくねえ」と吐き捨てていたのだ。

井口君が「発掘権」を主張するのは、どうだっておかしい。

周りを見たが、頼りの「星君家メンバー」は教室にいなかった。

「madajima、そういうの良くないよ」「パクりは良くないよ」と、井口君と話していた友だちは、ふざけて言っていた。

口論に弱かった僕は、どうして良いか一切分からず、「俺、セブンイレブンで見つけただけだから」と言うしかなかった。

「っていうか、madajima、あずまんが大王をウチで読んでいただろ。だからよつばと! を読もうとしたんだろ? じゃあパクりじゃん。あずまんが大王は俺のものじゃん」

それは間違いなかった。

セブンイレブンよつばと! を読もうとしたのは、井口君の家で読んだあずまんが大王と同じ絵、同じ作者であったことが大きい。

立ち読みしている時は気付かなかったが、井口君に言われてそれは気付いていた。

だが、それは発掘権とは関係ないはずだ。

「madajima、それパクりだから! それに、よつばと! を先に買ったのも俺だから!」

「マジで、それを自分のもののように言うの、やめてほしいわ」

「っていうか、他にもあるだろ、そういうの。『リアル鬼ごっこ』貸したけど、他の山田悠介の本も買ってたじゃん?」

「そういうことするとか、madajima、本当にパクり魔だな」

僕の意見を言う隙間も与えずに、井口君はどんどんと主張を広げていった。

口論が弱い僕は、どんどんと気圧されていってしまい、結局、「パクり魔」の烙印を押されることになってしまった。

 

もちろん、井口君も周りのクラスメイトも、誰も本気になってはいない。

口げんかと言うことすら大げさな、ただの中学生の悪ふざけである。

ただ、何にせよ、ここで、「パクり」の濡れ衣を着せられるツラさを、僕は思い知ったのだった。

 

パクり、というのは嫌なものである。

何より、パクられるのが嫌だ。

最近、「HELCH」という落書きがイギリスのそこら中にされていることを、ニュースで見た。

「Give HELCH a chance」とか、「Boris is HELCH」とか、あるいはただの「HELCH」とかが、倉庫の壁だの、駅の壁だの、はたまた王室関連の建物にだの、ありとあらゆる場所に書かれているようだ。

そして、誰も、「HELCH」が誰なのか、何を表しているのか、そもそもなんて読むのか、何一つ分かっていない。

この謎な感じが、人々の関心を引きつけていて、そしてそれこそが、落書きアーティストの狙いなのだ。

この落書きのせいで困っている、あるいはこれを面白おかしく思っている人たちを見て、イギリスのどこかにいる落書きアーティストはほくそ笑んでいることだろう。

「してやったりだ」と。

 

これは、パクりである。

この「HELCH」の戦略は、「madajima」のパクリである。

「madajima」だって、「よし、誰も使ったことのない、ユニークな苗字っぽいのを作ろう!」と思って、目をつぶってキーボードをタイプしたら、「madajima」が画面に表示されていたのだ。

そこで、日本人だか外国人か、男性か女性かも分からない、不思議な名前の誕生したのだ。

そしてその不思議さが、人々の関心を引きつけてきたことに疑いはない。

このブログを読むことに繋がっているに違いない。

その成功に目をつけた、どこぞやのイギリスの落書きアーティストが、その戦略をパクったのだ。

 

「不思議な名前戦略」

この発掘権は僕にあると、声を上げて言いたい。

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英国首相もHELCHらしい

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