madajimaとの会話

たまたまここを訪れてくれた方を一笑い吹かせるために、赤の他人との「どうでもいい会話」や自分の「どうでもいい思考」を載せています。

恋愛反省文 その2 - 君が好き

今年4月、僕に彼女が出来ました。

この彼女の名前は、そうですね、海老子にしておきましょう。

なぜ海老子かというと、この子は神奈川県の海老名市出身だからです。それ以上でも、それ以下でもありません。

あ、海老子は、身体が軟らかくて、それこそ海老みたいに、身体を反ることが出来ちゃったりします。

ま、それはどうでもいいですね。

どうでもいいと言えば、僕と海老子が付き合い始めた経緯もどうでもいいですね。簡単にまとめます。

僕がしたいのは、反省だけです。

反省するにあたっての、状況説明みたいな、背景説明は、できるだけ簡単にしたいです。

 

老子とは、3年前に、友達の友達として、たまたま出会いました。

それから、僕たちはよく遊んだりしました。この時も、僕は密かに海老子に恋心を抱いていました。

老子は、いつも元気でいっぱいで、いつも笑っていて、そんなところがすごく魅力的でした。

自由奔放で、誰とでもすぐに仲良くなれて、誰とでもすぐに笑い合って、それでいて、かなり些細なことで悩んでしまう、非常にユニークで、面白い女の子でした。

自分をひたすら律し、人見知りで、人と冗談を言い合う仲になるまで時間がかかって、さらに、些細なことで悩んでしまう、そんな僕には魅力的な女の子でした。

ですが、その時に付き合う気はありませんでした。

なぜなら、海老子は日本一周と世界一周の旅に出ることになっていたからです。

僕は、遠距離恋愛をする気もないし、また、付き合って「世界一周、やめてくれ!」なんて言う気もありませんでした。

「世界一周行って、戻ってきて、それでもまだ互いに恋人がいなかったら、付き合いたいなあ」

そんな事を、漠然と思っていました。

「だから、絶対に、日本に生きて戻ってきてくれ」

そんな事を、力強く願っていました。

え、それを言ったかって?

言うわけないじゃないですか、そんな死亡フラグになるようなこと。

 

老子が世界一周に行ってから、2年半が経ち、海老子が日本に戻ってきました。

今年の2月のことでした。

このとき、海老子にも僕にも、恋人はいませんでした。

と、いうことで、僕は海老子と二人で遊ぶようになりました。

世界一周に行った海老子は、2年半前とあまり変わっておらず、そして、僕の気持ちも、あまり変わっていませんでした。

いや、むしろ強くなっていました。

また、4年前から、「この2018ロシアワールドカップは彼女と見たい!!」と謎の決心をしていました。

そのため、「好き」だけじゃなく、「付き合いたい」という気持ちがかなり大きかったです。

そして、5、6回ほど一緒に遊んだ後、そのままその気持ちに行動を預け、僕は告白しました。

ですが、そんな経緯とか気持ちとかを知らない海老子は、「えっ?」とひたすら驚いていました。

「madaoは友達だと思っていた・・・」と言いました。

「madaoみたいなキラキラ男子と付き合うことなんて、考えてもなかった・・・」とも言いました。

「madaoの顔はそんなにタイプじゃないんだよな・・・」とも言いました。

僕は、なんとなく、勝手に、海老子が僕の気持ちに気づいていると思っていたので、ショックでした。

ですが、僕は本当に海老子と付き合いたかった為、必死に説得しました。

「俺は、海老子が世界一周に行く前から好きだったよ」

「俺は、キラキラしてないよ。オタク気質だよ」

「俺は、海老子に最初に会った時から、海老子のことかわいいって思ってたよ」

本心でした。

心の底からの、本心でした。

悩んだ海老子は、答えを保留にし、「一回、デートをしよう」と提案しました。僕は二つ返事で了承し、10日後くらいに、デートをしました。

4月1日の日曜日、目黒で、お花見です。

 

この日は天候に助けられ、また、夜になると人混みもそこまで激しくなく、楽しく時間がすぎました。

そして、22時ほどに差し掛かった時、川の遊歩道で立ち止まり、桜の花びらが散った川を見つめながら、告白の話をしました。

「あれから10日くらい経ったけど、どういうこと考えてる?」

老子は、少し緊張するように、背筋を伸ばしました。

「・・・友達とカップルの違いって、肉体関係以外で、何かなあ、って・・・」

そして、その海老子の声の調子で、まだ決めかねている事が読み取れました。

「madaoは、友達とカップルの違い、どう思うの?」

「んー」と少し考えてから、僕は答えました。

「互いの事をもっともっと知りたい、互いの事をもっともっと助けたい、ってとことん思えるかの差、かな。例えば、入院した時、友達だと、『1週間に1回のお見舞いで良いかな』ってなるところを、『毎日お見舞いに行きたい』って思えるかの差、みたいな」

「・・・ふーん。私は、さ、madaoは、すっごく面白くて、すっごく優しくて、すっごい良い奴で、だから、これで関係がうまくいかなくなって、友達じゃなくなるのが、すごく怖いなあ、って」

なるほど、そこでつっかえているのか、と僕は思いました。

僕がやるのは、そのつっかえを取ることだけでした。

「俺はね、海老子とは、友達以上の存在になって、とことん助けたい、もっともっと海老子が人生を楽しめるようにしたい、って思ってるんだよね。でも、その、もし、関係がうまくいかなくなって、友達ですらなくなるかもしれない、っていうのが怖いのも、すごくわかる。でもさ、海老子が、世界一周に行った時も、色々怖かったわけじゃん? 危ない目にあったらどうしよう、とか、もしかしたら、病気とかテロとかで、命の危険もあったわけでしょ? で、そういうのを越えて、行ったら、ものすごく楽しかったわけじゃん。良い景色が広がっていたわけじゃん」

老子は、下を向いています。

なので、僕は思いの丈を喋り続けました。

「多分、付き合い始めたら、友達の時と違って、お互いの嫌なところとか、どんどん見えてくると思っている。でも、そういう、お互いの汚いところも知った上で好き同士でいられたら、それが幸せなんだと思う」

老子は下を向いたままです。僕は、ここで、考える時間をあげるために、黙りました。

そして、海老子はパッと顔を上げました。

「・・・よし! じゃあ、付き合おっか」

「え! まじで!」

僕は、言葉が出ませんでした。

嬉しくて、涙が出そうになったのを覚えています。

告白してからの10日間の緊張が、一気に緩んで、身体に力が入りませんでした。

2年半前に出会った時の恋心が、こうやって実を結んだのは、本当に嬉しかったです。

「まじでー!」と何度も叫びました。

語彙がないですね。

ま、だからmadajimaさんに反省文を頼んでいるんですけどね。

 

ですが、喜んでいるのもつかの間、それから、衝撃の事実が、海老子の口から次々と出てきました。

「実はねー、今日、世界一周行く前に5年付き合ってた元彼から、連絡があったんだよなー」

「え? 今日?」

「うん。『会わない?』って」

「え? まじで?」

僕は、言葉が出ませんでした。

告白の答えをもらって、嬉しさで頭がいっぱいだったため、あまりよく考えが回らなかったのもあります。

老子は、説明しました。

「『旅行とか意味あんの?』とかいう人で、外に出るのが好きじゃない人だったから、でも、私はずっと世界一周したかったから、だから、『世界一周行くから』ってほぼ一方的に言って別れて。でも、その時、『結婚してから世界一周に行ってくれ』みたいなことも言われて、すっごく止められて、結局、別れるのに半年くらいかかって・・・。でも、友達として会いたいなあ、みたいな」

僕がこの時真っ先に思ったのは、「その元彼、可哀想だなあ」です。

僕と同様、いやもしかしたらそれ以上、海老子のことが好きで、2年半、海老子の帰りを待って、いざ連絡してみたら、「いや、今日彼氏できたから」なんて言われたら、そりゃあ、きついじゃないですか。

僕も、似たような経験があるため、この時は、この元彼の気持ちを想像して少し悲しくなりました。

けれども、冷静に考えて、旅行が好きな海老子と、旅行が嫌いなこの元彼では、ゆくゆくは結局うまくいかないことは目に見えています。

僕は、旅行が好きで、新しい場所にどんどん行くのが好きで、仕事と旅行を両方楽しむタイプです。

そんな自分の方が、きっと良い彼氏になるだろうと、すぐに確信しました。

「良いんじゃない? 会えば?」と僕は堂々と言いました。

「その元彼に会ったとしても、俺の方が良い男だな、って絶対気づくと思う。もしそう思えなかったら、俺をフッていいよ」

老子は、下を向いて黙っていました。

一方の僕は、自信にみなぎっていました。

『元彼に会ったとしても、俺の方が良い男だな、って絶対気づくと思う』って言うなんて、自分すげえな、まじでかっこいいな、とか思っていました。

そして、海老子も、何かスッキリしたようで、「そっか!」と笑顔で言い、それから違う話を色々しました。

 

「なんでも言い合える仲になると良いね」と僕が言います。

「そうだね。コミュニケーション、大事」と海老子が言います。

「何かしたいことあったら、なんでも言ってね」と僕が言います。

「何かしたいことあったら、なんでも言ってね」とあちらも言います。

「あ、それじゃ、今したいこと言っていい?」

僕はウキウキと、けれども緊張しながら言いました。

「え、いいよ」

「手、握って歩きたい」

「中学生か!」

そうして、僕たちは手を繋いで駅に戻り、電車に乗りました。

すると、海老子は「電車の中は、手、やめよ」と言いました。

それも、恥ずかしそうな表情で。

それが、たまらなくかわいかったです。

ああ、俺は本当に海老子と付き合っているんだな。

心の底から、しみじみと思いました。