その1はこちら
あらすじ↓
外国人選手ばかりの国内トーナメント、ヘッドハンターズカップに出場している、マダレンジャーのmadajima。
初戦はなんとか勝利。だが、次の相手は、サイボーグ軍団に勝ったケイン・コスギ軍団で・・・。
さて、僕らは2試合を連続ですることになった。
相手は、ケイン・コスギ似の褐色マッチョ率いる、ケイン・コスギ軍団。
僕は、そのケイン・コスギが怖いから・・・ではなく、初戦で疲れたので、ベンチスタートだった。
レッド、イエロー、ホワイト、そして、前の試合で出番のなかったパープルがピッチに立った。
「勢いに乗って、これも勝っていこうZe!」とグリーンが手を叩いている。
この試合が、鬼門だった。
共に初戦を勝利している。
だが、こちらは連チャンでの試合で、疲労がある。
ここでどういう結果になるかが、このトーナメントを大きく左右することになる。
試合が始まった。
ケイン・コスギが猛然とボールを追いかける。
こええ。
身体があんなにでかい奴に追われたら、誰でもビビるわ。
だが、ケイン・コスギ軍団の守備にあまり集中力は無く、イエローがフリーのレッドにパスを送ると、レッドが難なくゴールを決めた。
早々に、マダレンジャーがリードを奪う。
が、我らがマダレンジャー、別名マイペース軍団の悪いところは、得点するとすぐに楽勝ムードが漂い、油断することだ。
イエローとレッドは一切守備をしなくなり、ケイン・コスギに簡単にパスが通った。
細身のパープルがなぎ倒され、ホワイトと相手で二対一の状況に。
だが、ケイン・コスギが強引にシュートを打ち、勢いのないボールをグリーンが簡単にキャッチして、事なきを得た。
あっぶねえ〜。
なんでレッドとイエロー、1点取っただけでそんなに油断できるの。
逆にすげえわ。
僕はブルーをパープルと、ブラックをイエローと交代するよう言った。
イエローが僕に文句を言いたそうだったが、「今は守備が大事だから」と伝えた。
それにしても、ケイン・コスギがすごい。
背が高い、足が長い、筋肉もすごい、一体何を食べたのだろうか。
クリスチアーノ・ロナウドを間近で見るとこんな感じなのだろうか、と想像する。
ここで、ホワイトが僕と交代するようサインを出した。
ホワイトはかなり消耗しているようで、いつもは冷静そうな表情が「もう無理」って言いたそうにしている。
いやいやいやいや。
俺に、あのケイン・コスギを抑えろと?
このヒョロヒョロが、あのムキムキを抑えろと?
無理だって、いや、無理でしょ。
だが、ホワイトを無視する訳にもいかない。
また、ホワイトと僕以外に、センターバックとしてバランスを取れる人材はいない。
僕は、ホワイトと交代して、ピッチに入った。
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さあ、ゲームも半ばを過ぎました。
1-0とマダレンジャーがリードする中、果たしてケイン・コスギ軍団はゴールを決めることができるのでしょうか。
おっと、マダレンジャーに交代があるようです。
ホワイトに代わって、madajimaです。
松木さん、ホワイトは、ケイン・コスギを抑えるのに苦しんでいたようでしたよね。
そうだねえ、でも、非常に守備を頑張っていたと思いますよ!
ありがとうございます。
そして、madajimaが、ホワイトのポジションにそのまま入るようです。
うーん、madajimaとケイン・コスギ、身長差はしょうがないにしても、随分と体格に差があるねえ。
これは、ケイン・コスギ軍団、チャンスとして見て良いんじゃない?
ホワイトの離脱は、マダレンジャーにとってかなり大きいと思うよ!
そうですか。
さて、試合は、マダレンジャーの自陣からキックインでスタートです。
蹴るのはmadajimaで、ブルーが下がってボールをもらいに行きました。
madajimaは、ブルーにボールを渡します。
だが、あーっと! ケイン・コスギが、ブルーの所に猛然とチャージしに行き、身体を当てました!
ここでボールを奪えば、一気にゴールだ!
だが、ここでブルーが踏ん張る、踏ん張る。
madajimaは「ごめん、ごめん」と言っている。
ブルーが前に行こうとしたところ、ボールがケイン・コスギの足に当たり、ゴールキーパーの前にこぼれて、それをグリーンがキャッチしました。
いやー、madajima、まだゲームに入れていないねえ。
判断を誤ってしまいましたよ。
ケイン・コスギのスピードとパワーは、実際ピッチに立たないと分からないのかもねえ。
グリーンがボールをキャッチすると、ブルーが左に、madajimaが右に開きました。
グリーンは、madajimaにボールを転がします。
そして、それを見るや、ケイン・コスギがmadajimaに猛然とダッシュ!
まるで、鹿を見つけたチーターのようだ!
madajimaはあまりの速さにビビり、慌ててボールを前に蹴り出します。
だが、ケイン・コスギの足は止まらず、madajimaにぶつかる!
うわ、ファウルでしょ、これ。
審判の笛が鳴りました! ファウルです。アフタータックルです。
ですが、ケイン・コスギは「ファウルじゃない」と言いたそうな、不可解そうなジェスチャーをしています。
倒れているmadajimaは、膝を痛そうにさすっていますね。
すかさずブラックが審判に歩み寄って、「退場でしょ!」と抗議をしています。
ですが、この小さな大会に、退場という概念は存在しません。
ケイン・コスギ、かなりフラストレーションが溜まっているよお。危ないねえ。
フェアに、プロフェッショナルに戦ってほしいよねえ。
madajimaが立ち上がり、ゲーム再開です。
いまだに、試合は1-0のまま。
ケイン・コスギのプレッシャーを前に、マダレンジャー、ボールを繋げられません。
そして、ケイン・コスギ軍団がボールを奪い、カウンターだ!
ボールをすぐに前線へ運ぶ。もちろん、前線で待っているのは、ケイン・コスギ。
だが、ケイン・コスギにはmadajimaがぴったりとマークについています。
ケイン・コスギは、強引に振り向いてシュートを打ちます!
しかし、これは、キーパーがガッチリキャッチします。
ちょっと、強引すぎる感じがするねえ。フリーな選手、見えてなかったかなー!
グリーンはブラックにボールを渡します。
ケイン・コスギは、もう疲れが見えており、先ほどのようなプレスには行きません。
そして、あーっと! madajimaがいつの間にか裏に抜け出している! 完全にフリーだ!
ゴール前に行き、手を挙げている!
それを見たブラックは、左足でゴール前にふわりと浮かす!
madajima、届くかー!
届かない!
madajimaの頭、わずかに届かない!
ゴールキーパーが難なくキャッチです!
パスを出したブラック、天を仰ぎます!
あれ? 最後madajimaくん、減速しなかった?
ゴールキーパーとぶつかるのが怖かったのかな?
だが、ここで試合終了の笛!
重要な試合、マダレンジャーが序盤のリードを保ち、勝利を得ました!
松木さん、いかがだったでしょうか。
そうだねえ、やっぱり、ラフプレーは、無駄に体力を消耗するだけ、ということだね。
ケイン・コスギ君には、次の試合に期待したいです。
ありがとうございました。
続きます。