madajimaとの会話

たまたまここを訪れてくれた方を一笑い吹かせるために、赤の他人との「どうでもいい会話」や自分の「どうでもいい思考」を載せています。

国内海外組、madajima その2

その1はこちら

あらすじは↓

年に1回行われるフットサル大会、ヘッドハンターズカップに出場する、マダレンジャー。

ライバル企業同士がバチバチと火花を散らすこの大会に向けて、チームとして準備はあまりできていない。

そのくせ「どうせ勝てるだろ」と謎に楽観的なチームメイトに不安を覚えながら、当日を迎えた。

 

私、国内海外組のmadajimaがメディアで注目を浴びるためには、このヘッドハンターズカップで優勝することが絶対条件である。

そして、優勝をするために、絶対に倒さなければならないライバルチームがある。

それが、サイボーグ軍団だ。

2年前と去年のどちらも、マダレンジャーはサイボーグ軍団に負けて敗退している。

そしてそのどちらも、サイボーグ軍団がそのまま勝ち進んで、優勝している。

2連覇中の強敵なのだ。

 

僕も、一度対戦しているから、よく知っている。 

長身で筋肉ムキムキ。しかも坊主。

そんなサイボーグのような選手が2人もいて、彼らを目指してロングボールを蹴ってくる、非常に厄介なチームである。

我々は所詮マダレンジャーなので、筋肉ゴリゴリで来られたら、打つ術はあまりない。

僕らが全力でぶつかってもビクともしない、それを想像しただけで、寒気がする。

 

このヘッドハンターズカップの大会方式は少し変則的で、グループAとグループBに分かれて、そのグループの一位同士が決勝を行い、優勝を決める。

要は、グループ一位にならなければ、決勝にはいけない。

そして、マダレンジャーは、サイボーグ軍団と同じグループAに入った。

つまり、サイボーグ軍団よりも順位が上でなければ、決勝にいけない。

 

ダメかな。

今年、ちょっと厳しいわ。

だって、練習していないし。

だって、サイボーグ軍団が同じグループにいるし。

 

そんなこんなで、当日になった。

キャプテンのグリーンが、社内全体に「みんなで応援しYo!」的なメールを送る。

「是非見に来てくれYo!」と書いてある下には、チームメンバーのリストがあり、madajimaの名前もしっかり載っている。

 

緊張するわ。

会社を代表するって、緊張するし、やる気も上がる。

これが、サッカーの日本代表だったら、どんだけやる気が上がるのだろうか。

国を代表するって、どんな感覚なのだろうか。

 

選ばれてえ〜。

国を代表して、ロシアW杯に行きてえ〜。

でも、サイボーグ、こえ〜。 

身体を壊されて、W杯を観戦すらできなくなるかも〜。

 

チームメンバーは、社長から許可をもらって仕事を早めに切り上げ、ユニフォームとジャージに着替えた。

そして、仕事中の人たちから拍手を受けながら会社を出た。

薄ピンクのワンピースが似合う同期の女の子が、僕と目を合わせて「がんばって!」と言ってくれた。

「ありがとう」と僕はニンマリ笑顔で答える。

「応援しに行くから!」とピンクが言う。

「おお! まじで!」

 

おほほ、良いね、こういうの。

会社のフットサル代表として受ける、この注目度、たまらないわ。

だが、同時に申し訳なくなる。

 

期待されても困るなあ〜。

ベストは尽くすけどさ、ここまで練習していないのに、勝てる気がしないんだよなあ〜。

相手はサイボーグだもの。

こっちはマダレンジャーだもの。

テレビ化されていない、メディアにも取り上げられていない、無名のヒーローだもの。

 

僕たちはタクシーに乗って、会場へと向かった。

ホワイトとパープルと一緒のタクシーだった。

「ごめん、二人の名前は何?」とパープルが聞いてくる。

「俺はホワイト」

「俺はmadajima」

「ありがとう。俺はパープル」

 

そうなんだよなあ。

唯一、パープルだけが、果たしてどれくらい出来るか、全くわからない。

その他のヒーローは、全員去年の大会も出ていて、互いのこと、相手のことをよく知っている。

が、7人と8人では、体力が全然違ってくる。

パープルがピッチに出てくれるだけでありがたい場面が出てくるかもしれない。

 

会場に着いた。

すでに到着しているチームもあったようだ。

すると、相手チームに、何人か知っている顔が見える。

「よおmadajima、久しぶり」

「ヘロー! 元気かい」

「お互い頑張ろうぜ〜」

そんな感じで、3、4人ほどと握手をした。

 

この外資ヘッドハンティング業界は非常に狭く、同じ業界のライバル企業に転職することも多い。

そして、このフットサル大会で顔を合わせ、対戦したりすることもある。

 

「お前ら、サイボーグ軍団と同じグループか。頼むから、ぶっ潰してくれよ」

「そ、そのつもりです」

 

そして、この狭い業界で、一番嫌われているのが、サイボーグ軍団の企業だ。

聞くところによると、他の企業の契約を横取りしたりすることもあるとか。

その上、筋肉ムキムキで、フットサルも強いとくると、確かに嫌われるしかないだろうな、と思う。

 

そうやってさらにテンションが高まる中、僕たちはウォーミングアップを始めた。

みんなで集まって、一緒にジョギングをする。

「なんかいいね、これ。チームって感じで」

「そうだな」

そうやって、キャプテンのグリーンを中心に、冗談を言いまくっていた。

 

だが、だんだんとジョグをする人が少なくなっていった。

レッドは、一人でペースをあげてダッシュしている。

イエローは、イヤホンをしながら黙々とストレッチ。

ホワイトは、昔の同僚らしい人と話し込んでいる。

ブラックは、お腹が痛くて走れない。

 

・・・協調性、ゼロかよ。

まあ、ほぼ全員違う国籍なので、それも仕方ないのかな、と思うしかない。

周波数というか、そういうのが全員バラバラなのだろう。

 

だが、これぞ、国内海外組が経験することだ。

この中で、いかに良いプレーをすることができるか。

いかに、自分らしいプレーをすることができるか。

そしていかに、勝利に貢献できるのか。

それが、国内海外組の挑戦である。

 

ハリルホジッチ監督、見てますかー!

新聞記者の人、見てますかー!

私madajima、絶賛、国内海外組として経験を積んでいますよー!

こういう人材、世界で戦うには必要なんでしょー!

私をロシアに連れてってー!

 

残ったグリーン、ブルー、パープルと一緒にジョギングやらストレッチをし終えて、ピッチの近くに戻った。

すると、応援に来てくれた、同僚の人たちが集まり始めていた。

「ウィーっす」と言いながら、片手を上げている。

その手には、ビールがあった。

体を動かしていないとかなり寒いから、酒でも飲んでいないとやっていられないのだろう。

 

そして、その応援の中には、ピンクの姿もあった。

「おお! 本当に応援にきたのか!」と僕は話しかけに行く。

「もちろん、そう言ったじゃん! こういう風に、盛り上がるの好きだし」

「良いねー。めっちゃ声出しておいて」

「Go! Go! マダレンジャー!」

すごい、ピンクもビールを飲んでて、盛り上がっている。

 

すると、「ピーッ!」と審判の笛が鳴った。

「一試合目は俺たちの出番じゃないけど、サイボーグ軍団の試合だから、皆で見ておこう」とグリーンが言う。

 

そうしてサイボーグ軍団の試合を見始めた。

だが、ある異変に気付く。

あれ? サイボーグいなくね?

サイボーグ軍団に、サイボーグいなくね?

筋肉ムキムキの坊主、いなくね?

あの、戦隊モノでよく出てくる、雑魚キャラみたいな奴らしかいなくね?

ちっこくて変な動きするやつしかいなくね?

 

逆に、対戦相手に、ケイン・コスギみたいな奴がいて、雑魚キャラをなぎ倒すように、前線でプレーしている。

そして、ケイン・コスギがゴールを決めて、喜んでいる。

 

「あれ、今年のサイボーグ軍団、サイボーグいなくね?」と僕が驚く。

「ああ、あれ、やめたらしいよ」そう言ったのは、隣にいたブルーだ。

「え? ムキムキな坊主、2人いたのに、どちらも辞めたの?」

「うん。LinkedInで調べた」

「え、名前知ってたの?」

「まあ、調べた」

 

なんということだ。

サイボーグ軍団が、サイボーグ軍団から、雑魚キャラ軍団に成り下がっていたとは。

そして、雑魚キャラ軍団が褐色の長身細マッチョ、ケイン・コスギ率いるケイン・コスギ軍団に圧倒されている。

なんと、いきなり波乱の展開だぞ・・・。

 

続きます。