madajimaとの会話

たまたまここを訪れてくれた方を一笑い吹かせるために、赤の他人との「どうでもいい会話」や自分の「どうでもいい思考」を載せています。

銀座の恋活パーティで出会ったバンダナの子 その2

これまでのあらすじを忘れた方はその1で。覚えていたら、その2からで大丈夫です。

 

「僕はバンダナの子のパートナーになる」

そう決めた後、僕は週末の読書会に誘われた。

読書会とは、自分たちが持って来た本を読み、感想を言い合うというものだ。

ファミレスやカフェに10人ほどが集まり、全員が黙って本を読んでいる集団を見つけたら、「あ、読書会してんだな」と思っていただいて構わない。

 

駅でバンダナの子と待ち合わせて、一緒に会場のファミレスに行くことになった。

今日も、バンダナの子に会った瞬間に思った。

ああ、かわいいな、と。

が、今回の可愛さは種類が違った。なんか、こう、セクシーである。

もちろんまだ20代前半なので、色気よりも可愛さの方が大きいのだが、いつものふんわりした感じではなく、身体のラインが出た感じなので、大人っぽく見える。

姿勢がよく、いわゆる「出るところが出ている」感じだ。

 

とはいえ。

ビジネスのパートナーになる者、そんなことばかり考えてもいられない。

バンダナの子に良い影響を与えられるような、ビジネスマインドのしっかりした人間にならなくてはならない。

お尻とおっぱいの事ばかり考えるような人間ではダメなのだ。

今日の読書会でも、グラビアアイドルの写真集を読んで、「いやー、このポーズが」なんて語ったら終わりである。

あ、いや、そもそも、写真集は読むものではなく見るものか。

いや、そんな事どうでもいいのか。

 

ファミレスに入ると、すでに何人か席に座っていた。

その中に、バンダナの子の元彼と思われるムネリンと、銀座の恋活パーティでバンダナの子と一緒だった榮倉の子もいた。

 

わいわい話した後読書タイムとなって、そして、4人グループに分かれての感想共有の時間になった。

バンダナの子が僕の隣に座っている。

僕は、グラビアアイドルの写真集を読んでいた、訳ではなく、とあるビジネス書の「ビジネスチームはどう動くか」みたいな部分を読んでいたので、それと、僕の好きなサッカーの事を絡ませて感想を言った。

 

僕が読んでいるのは、新潟さんから薦められている、「金持ち父さんのキャッシュフロークアドラント」です。

で、今読んだところで、著者は「チームは、どういう目標を達成するかだけではなく、どういう失敗ならしてもいいのかも、共有しておくべき」みたいなことが書いてありました。

そしてすぐに、あ、これって、サッカーと同じだな、と思いました。

2016年に、イングランドプレミアリーグ優勝したのって、レスター・シティっていう小さい地方クラブだったんですよ。

お金もあって、良い選手もいる都市クラブを差し置いて、地方の小さいクラブが優勝したんですよね。

で、このチームって、実は、シーズンを通して一番パスをミスしたチームだったんですよ。

要は、一番パスミスをしたチームが、一番勝ったんです。

チームの一人一人が、どういう風にゴールを決めるのか、どういう風に守るのか、全く同じ絵を描いていたから、互いのミスの中身がものすごく濃くて、勝利へのプロセスになっていたんですよね。

起業する時も、まずはめちゃくちゃ小さいところから始まる。

そして、恐らく、天才とかもいない、凡人の集まり。

でも、一人一人が全く同じ絵を頭に描いていたら、レスター・シティみたいに、奇跡を起こせるかもしれないのだな、と思いました。

 

みんな、興味なさそうにポカーンと口を開けていた。

バンダナの子もそんな感じで、すぐに「他にはある?」と言われる始末だった。

仕事術やリーダーシップ、上司のあり方などをサッカーから学んでいる僕としては残念だったが、バンダナの子の前でサッカーの話をするのはやめよう、と思った。

 

バンダナの子の番になった。

ディズニーランドの人の育て方についての本を読んでいたようだった。

 

へー、バンダナの子、ディズニー好きなんだ。

なんか意外。

感想を聞いていても、彼女のディズニー愛が伝わってきた。

まあ確かに、普通の女の子は、サッカーよりディズニーかもね。

 

一巡し、感想タイムが終わった後、だべりタイムが始まったため、僕はトイレに行った。

用を足して戻ってくると、僕のいたテーブルが静かになっており、みんなスマホをいじっている。

なんだ、ダベっていないのか、と不思議に思いながらも、席に座った。

そしてすぐに、バンダナの子が、「あー、ディズニー行きたいなあ」とつぶやいた。

周りの人は、スマホに夢中で、そのつぶやきに反応しない。

 

え? なにこれ。

これ普通、バンダナの子と付き合いの長い友だち君たちが、「今度行こうよー!」とか言う流れになるんじゃないの?

なんで何も言ってあげないの?

 

そんなふうに不思議に思ったが、このまま沈黙が続くとかわいそうなので、なんとか会話を作ろうと思い、「あれ、バンダナの子は、パレードとか見るタイプ?」と聞いてみた。

「私が見る訳ないじゃん」

いやー、でも、女友達と行ったら、見ざるを得なくなっちゃうんじゃないの?

「私の友達だから、そういうの興味あるわけないじゃーん」

あはは、そうだよね。

「パレードの間空いているから、その間アトラクションたのしもー、って派だよ、私」

良いねー、ディズニー好きの女子でそういう人、いるんだ。

 

再び沈黙が流れた。

え? なにこれ。

俺がトイレ行くまでみんなあんなに喋っていたのに、なんで誰も会話に参加しないの?

すげー不自然なんですけど。

みんな、そんなにスマホいじる人たちでしたっけ。

 

ん?

んんん?

もしかして、俺が、「あ、じゃあディズニー行こうよ」って言うべきだった?

デートに誘うべきだった?

俺がデートに誘いやすくなるよう、バンダナの子がわざと「ディズニー行きたいなあ」って言ったの?

それを、みんな黙って協力してくれていた?

 

いやいや、それはちょっとプラス思考すぎかな。

いやあ、でも、俺の態度からして、俺がバンダナの子に気がある、みたいなのが、本人にも周りにもバレバレなのかな。

それをアシストしてくれそうなくらい、仲良くはなっているんだよなあ。

 

いやー、でもね。

すいません。

私、ビジネスマインドだったので。

デートのこととか考えていなかったので。

お尻とかおっぱいとか考えていなかったので。

 

ただ、このビジネスマインドがどこかに行った時に、デートに誘って良いのかなあ、とは思えた。

ちょっと二人で会うのを誘ってみようかなあ。

よく考えたら、これまで誰かと一緒に会うことばかりで、二人で会うのって、最初のご飯以外一切ないもんなあ。

 

この読書会の数日後、僕はメッセージを送った。

「ちょっと寒くなって、スーツに合うコートを買おうと思っているんだけど、一緒に選んでくれる?」

「良かったらお礼にご飯おごるわ!」

 

コート選びをしながら、ディズニーに誘う。

これが僕のプランだった。

いけるよ、絶対にいける。

だって今は、ビジネスマインドじゃないし。

 

だが、返信は、三日間返って来なかった。

そしてその返信も、「日にちと時間と場所によるかなー」という、微妙なものだった。

 

続きます。