madajimaとの会話

たまたまここを訪れてくれた方を一笑い吹かせるために、赤の他人との「どうでもいい会話」や自分の「どうでもいい思考」を載せています。

銀座の恋活パーティに行ってきた その11

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面倒な人はあらすじ↓

銀座の恋活パーティで出会ったバンダナの子は、ネットワークビジネスをやっていないと思ったが、実はやっていた?

実は遠回りに、遠回りに誘われていた?

『新潟の師匠』とバンダナの子と直接会って話すことになった今回こそ、はぐらかされないようにしっかり聞いてやるぞ、と意気込むmadajima。

決めゼリフ「俺は、君と恋愛したかっただけなんだよね」は繰り出されるのか?

 

 

「『新潟の師匠』さんとの時間は限られているから、早めに会って作戦会議しよ!」

と、いうことで、僕とバンダナの子は、仕事が終わってすぐに新宿で会うことになった。

読書会以降、メッセージのやりとりは続いていたが、直接会う事は2週間ほどなかった。

だから、久々に顔を見たとき、やっぱかわいいな、と思った。

いつもは気が強めなのに「また遅れちゃった」と謝られると、なお良い。

とはいえ、抱きつかれたいな、逮捕されたいな、とは思わなかった。

いや、思わないように、心を構えた。

しっかりと、心を鬼にして、もし自分がネットワークビジネスに超間接的に誘われていたら、きっぱりと断ろう。

そうしたら、会うのは、今日で終わりにしよう。

 

「最近、仕事はどう?」

え?

最初の質問がそれだったので、僕は驚いてしまった。

メッセージとかでもそうだったが、彼女が僕に質問してくることなど、まずなかった。

ましてや、仕事のことに関して、興味を持たれた事はなかった。

それが、「自分は、超間接的にネットワークビジネスに誘われているんじゃないか」と思う理由の一つでも合った。

だが、今日は様子が違うようだ。

とはいえ、いつもより気を引き締めることを怠ってはならない。

 

僕たちが作戦会議をしていたのは、新宿駅東口の真上のパルコにある通路だった。

ちょうど隣り合わせの椅子があったので、そこに二人で座る。

なかなか椅子が密集しているので、バンダナの子との距離が近く、僕は若干恥ずかしかった。

だが、バンダナの子はしっかりと顔をこちらに向け、足もこちらを向け、あまり気にしていないようだった。

隣り合わせで座っているとき、バンダナの子がちょっと距離をとるような事が今まであったので、少し驚いた。

今日は、本当に少し様子が違うようだ。

とはいえ、いつもより気を引き締めることを怠ってはならない。 

 

「じゃあ、『新潟の師匠』さんに何を聞く?」とバンダナの子が、焦点を『新潟の師匠』さんとの話に向ける。

いやー、俺は、どういうタイミングで『新潟の師匠』さんが起業を始めたか、聞きたいな。きっかけ、的な。

「あーいいね。私もそれ、聞きたい」

 

そんな感じで、僕らは「聞きたい事リスト」を作っていった。

その時だった。

一度、若い男女二人が、僕らの前を通り、その男の方が、僕をギロリとにらんだのだ。

僕を殺そうとするような、とんでもないにらみである。

 

え?

なんでにらまれたの?

あー、わかった。

おれみたいな奴が、こんなかわいい子と仲良くしているのが、気にくわないんだ。

そっか、知らない男にヤキモチを焼かれるほど、俺たちは、仲良さそうに見えるのか。

ふーん、そっか。。。

ふーん。。。

 

いやいや、その恋愛モードに入るのは、今日、ネットワークビジネスのことについて全て聞いてからだ。

ちゃんと気を引き締めないとな。

しっかり顔を見て、ネットワークビジネスについて聞かないと、前には進めない。

 

それから時間になり、『新潟の師匠』さんに会いにいくことになった。

『新潟の師匠』さんはスターバックスで待っているようで、飲み物を買わなければいけなくなった。

僕はユースベリーティーを頼み、バンダナの子はモカなんとかを頼んだ。

僕はカウンターですぐに飲み物を受け取ったが、バンダナの子は、飲み物ができるまで時間があったため、その間、僕は自分のユースベリーティーの香りを嗅がせてあげた。

すると、嗅いだ瞬間ハッとした表情になり、「何これ、すっごくいい香り」と心の底から喜んでいる様子を見せた。

うわ、その素の反応、めちゃかわいいじゃん。。。

やっぱあれか、五感に良い刺激をすると、嫌でも素が出るってやつか。。。

かわいいな。

逮捕したいな。

 

いや、今はそれどころではない。

しっかり気を引き締めなければ。

『新潟の師匠』さんとしっかり話し、それから、バンダナの子にネットワークビジネスについて聞かなければ。

 

バンダナの子が飲み物を受け取り、『新潟の師匠』さんがいるテーブルに向かう。

こんばんわ、と言いながら席に座った。

「どうも。スーツ、かっこいいね」

あー出た、まず褒めて出る作戦。

それも全て、策略なんだろ。

気を引き締めてるから、わかるぜ。

でも、ありがとうございます、とお礼を言った。嬉しかったので。

 

以前、経済塾の前にちらりと話した時は時間がなかったため、自分のやっていることや、『新潟の師匠』さんがやっていることを、お互い話した。

『新潟の師匠』さんが持っている家や車のことを、バンダナの子が付け足したりしていた。

それから、あの、と僕が切り出した。

どういうきっかけで起業を始めたんですか? 初めはどういうことをしたんですか?

ネットワークビジネスですよね? とは言えなかった。

 

SHARPで働いていたんだけど、月収300万の人に会って、その人に薦められて『金持ち父さん、貧乏父さん』を読んでね」

『新潟の師匠』さんは、どうかいつまんで説明したらいいものか、考えながら話しているようだった。

「ダブルワークで、まずは、自分の師匠の完全コピーで、まず一人で会社を作って、それから人を雇って経営に繋げていった感じかな」

はあ。

うまくイメージがつかめないが、話が早いので、質問する隙間がない。

 

『新潟の師匠』さんが強調していたのは、「最初は師匠の完コピ」だった。

それから、自分がやりたいことをやっていった。

それが、ドローンの撮影会社だったり、飲食店だったり、ということらしい。

 

それ以外にも色々話を聞いたが、出てくる話は「金持ち父さん、貧乏父さん」に書いてある内容ばかりだった。

師匠を持った方がいい。

仲間を持った方がいい。

従業員や自営業ではなく、経営者に。

 

だが、強制するような言葉遣いは、一切ない。

というか、大して薦めてきてもいない。

自分がやったことを、嫌味なく、サバサバした笑顔で言っているだけである。

僕がどういう人生の選択をするのか、興味がない風格すらする。

 

そういう流れの中、あれだけ引き締めようとしていた気が緩んでしまい、ネットワークビジネスの事があまり頭に出てこなくなった。

だんだんと、その辺りが気にならなくなった。

代わりに、ふと頭に浮かんだ疑問をぶつけてみた。

 

あの、ご結婚されているんですか。

「あ、え、うん、しているよ」

 

『新潟の師匠』さんは、この質問を予想していなかったのか、驚いた表情をした。

隣に座るバンダナの子をちらりと見ると、「作戦会議はなんだったんだ」「一体何を聞いているんだ」と言いたげな表情をしているので、ごめんね、と小声で言う。

 

あの、奥さんとは、いつ交際を始めたんですか。起業する前ですか。

「あ、うん。たまたま飲み会で会ってね。その時はまだ師匠と起業の勉強中で」

「ダブルワークで忙しかったから、デートは2ヶ月に一回とかで」

「えー!」と、バンダナの子が、感動したような、悲鳴をあげたような、声をあげる。

「で、それからしばらくしたある日、『金持ち父さん、貧乏父さん』を薦めたら、『おもしろそうじゃん』って言って、今では彼女も会社を持っているよ」

「俺の会社の役員が奥さんで、奥さんの会社の役員が俺」

「いいですねー」とバンダナの子が感銘を受ける。

へー、と僕も感銘を受けた。

やっぱり、お金を持ち始める前に、相手を見つけているんだな。

ふーん。

 

すると、「madajima君は、彼女とかいるの?」と聞かれた。

え、いや、いません。

「えー、かっこいいのに。背も高いし」

あ、いやー。

外資系で働いているなら、外国人の彼女とか作ればいいのに」

「あーー! いいですねーー!」とバンダナの子が『新潟の師匠』さんの方を向いて言う。

あ、いやー、そうですねー。

僕とバンダナの子の間にある空気がなんだか変な感じになったが、気にしないことにした。

 

時間になり、僕たちは席を離れた。

『新潟の師匠』さんと話した印象について、ああだこうだ話しながら、階段を降り、パルコを出て駅に向かった。

 

ごめんね、作戦会議で話していないことを聞いちゃって。

「ううん、全然いいよ」

ああ、でも、もっと具体的に、最初のきっかけというか、最初はどんなことをしていたか、聞けばよかったな。

「言っていたじゃん、完コピでしょ?」

でも、完コピで一体何をしていたのかな、って。

「私が今、新潟さんのもとでしているのと同じことだと思うよ。新潟さんに薦められた本読んだり、セミナーに行ったり、他の経営者さんに会ったり」

あ、そういうこと? なんか、師匠と全く同じ起業をすることなのかと。

「え? 違うでしょ?」

 

僕たちは、パルコの入り口の、手動ドアの前で、向かい合って立っていた。

立ち話だったが、タイミング的に、聞くのは今しかないな、と思った。

 

それについて、なんだけどさ。

『新潟の師匠』さん、ネットワークビジネスでお金を集めてから、それを資金源にして、起業したのかな、って思ってさ。

ほら、薦めてもらった本にも書いてあったじゃん、「起業のために、ネットワークビジネスから始めるのはいいこと」って。

だから、『新潟の師匠』さんも、新潟さんも、バンダナの子も、榮倉の子も、ムネリンも、みんなネットワークビジネスしているんじゃないの?

俺が「金持ち父さん、貧乏父さん」を薦められたのも、読書日誌を書くように言われたのも、読書会に行っているのも、全部、ネットワークビジネスに繋がっているんじゃないの?

そうすれば、『新潟の師匠』さんと、新潟さんの利益にもなるし、バンダナの子や榮倉の子、ムネリンも起業しやすくなるじゃん。

 

僕は、しばらく頭にあった事を口から出すだけだったので、かなり落ち着いていた。

何も恐がらず、打ち明けられた。

だが、バンダナの子は、だんだんと怒りを露わにし始めた。

 

「何それ? 何そのコントロールみたいな、洗脳みたいな」

「そっか、それで最近、読書日誌送らなくなったんだね」

「あの読書会にいた人とか、経済塾にいた人の中に、ネットワークビジネスやっている人もいるよ。でも、やっていない人もいる。私みたいに」

「でも、榮倉の子やムネリンがネットワークビジネスやっているかなんて、私から言うことじゃない。っていうか、それを知って何になるの?」

「私は、ネットワークビジネスはただ勉強中。でも、ネットワークビジネスで大富豪になるみたいな、そういう考えは一切ない。私はあくまで、仕事を楽しみたいから」

「新潟さんと『新潟の師匠』さんがネットワークビジネスをやっているかなんて、知らないし。私に聞かないで、直接聞いてよ」

「私はただ、madajimaと、励まし合いながら、刺激し合いながら、起業に向けて頑張れたら、って思ってたのに」

 

話している間、バンダナの子の目は、まっすぐ僕の目を向いていた。

僕も、その目をまっすぐ見ていた。

一つ一つの表情の動きを見逃さないように、じっと見ていた。

そして、これは全て本心だな、と確信した。

 

ごめん。

やっぱり2年前に誘われた時の、嫌な思い出があったから、色々考えすぎちゃったんだよね。

言うて、俺も、自分の感情をあんまりコントロールできないし。

 

「madajimaは優秀だよ。吸収も早いし」

いや、感情をあまりコントロールできなくなるし、まだまだだよ。

「私は、2年前にmadajimaをネットワークビジネスに誘った人たちを知らないけど、でも、聞いている限り、新潟さんたちとは全然違うタイプの人たちなんじゃない?」

うん、まさしく、その通り。全然違う。

「キャンプのときも思ったけど、madajimaは考えすぎ。新潟さんがすごいなあ、って思ったら、単純に学べばいいじゃん。薦められた事をまずやってみたらいいじゃん」

まあ、ねえ。

「どうする? 新潟さんとまた会いたい? それとも、もう会いたくない?」

いや、是非、会わさせてください。

 

バンダナの子が笑った。

ものすごく、自然な笑顔だった。

そして、「是非、会わせてあげますよ」と答えてくれた。

 

それから、僕たちは、将来したい事、したくない事、なりたい姿、なりたくない姿、そういった事を、たくさんたくさん話した。

人通りが少なくないパルコの入り口前で、互いに仁王立ちに向かい合っていた姿は、ケンカしているような雰囲気もあったかもしれない。

通りがかりの人に怪訝そうな表情をされたりしたが、お互いにお互いの話にしか興味がないような、二人だけの空間、二人だけの時間の中にいたような、そんな感覚がした。

じっとバンダナの子の表情を見つめ、あ、目をそらした、あ、髪をいじった、あ、唇を噛んだ、みたいな、そういう変化を見れるのが、愛おしく感じた。

ただ、そういう風に観察していたのは、「ネットワークビジネスを誘おうとしているか」を判断するためではなかった。

単に、そうしていたかっただけだった。

 

「俺は、君と恋愛したかっただけなんだよね」

この決めゼリフに、僕は違和感を覚えるようになった。

僕が、バンダナの子としたいのは、恋愛だけじゃない気がしてきたからだ。

 

バンダナの子が成し遂げたい事があるなら、全力でサポート出来たらいいな。

自分の存在が、彼女にとって、助けになってくれたらいいな。

自分の存在で、彼女の人生を少しでも良くする事が出来たらいいな。

 

「俺は、君のパートナーになりたい」

この決めゼリフの方が、ずっと自然である。

 

続きます。