madajimaとの会話

たまたまここを訪れてくれた方を一笑い吹かせるために、赤の他人との「どうでもいい会話」や自分の「どうでもいい思考」を載せています。

銀座の恋活パーティに行ってきた その4

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面倒な人はこれまでのあらすじ:

友人T君と行った銀座の恋活パーティ、そこで一番可愛いと思ったバンダナの子をご飯に誘い、見事にオッケーをもらったmadajima。

しかし、いざ会ってみると、相手の表情は芳しくない。というか、もはや会った瞬間から帰りたがっている雰囲気。

雨が降りしきる渋谷の金曜日の夕方、果たしてmadajimaは、この状況を好転できるのか?

  

綿密に用意していたレストランは全て、雨の中では遠い、ということで、間接的にだが、却下された。

バンダナの子(この日はバンダナしてないけど)と歩きながら、会話しながら、以下の条件を満たす場所を一刻も早く見つけなくてはならない。

* 居酒屋ではない

* かるく食べられる

* 近い

* 混んでいない

 

これができなかったら、もし、バンダナの子とトボトボとレストラン探しで雨の中歩き回ることになったら、会った瞬間すでに渋い顔をしていたバンダナの子は、怒って帰ってしまうだろう。

もはや、優先順位は、レストランの質ではない。レストランに入れるかどうか、である。

僕は、脳みそをレストラン探しに集中し始めた。

 

思えば、高校でサッカーをやっていた頃、僕はストライカーだった。

嗅覚で、ボールが落ちて来そうな所に走り込み、こぼれ球をゴールに入れる、なんてことはよくあった。

全然理論的ではないのだが、足が動く先に身体を任せると、そういう良いことが起きたりする。

大事なのは、そういう時に、自分の感覚を信じることである、というのを、その時に学んだ。

 

あれだっ!

道路の反対側から2階席が見え、席が少し空いているのを、両目が捉えた。

あれは、昔違う場所で行ったことのある、オムライスの専門店だ。

オムライスで良いのか? 良いのだろうか?

チェーン店で良いのか? 良いのだろうか?

いや、迷うな、madajima。

今の目標は、綺麗なゴールを決めることではない。

どんなに泥臭くても、ゴールを決めることが大事なのである。

 

あの店、どう? オムライス専門店なんだけど。

僕はそう、できるだけ自信を持って、言った。

「前に来たことあるんですか?」

んー、違う店だけどね、一回。

ここで、「チェーン店」という言葉を使わないように気をつけた。なんとなく、チープに聞こえてしまうためだ。

店の前にたどり着き、外に出ているメニューを見たりすると、バンダナの子が「あっ、すごく良い感じ。。。おいしそー。。。」と言ってくれた。

気を使っている風ではなく、素で言ったようなので、僕は少しホッとする。

会った時の渋い顔が、ほどけていくようだった。

 

が、ここでホッとするのはまだ早い。

まだワールドカップのグループステージ初戦に1-0で辛勝した程度で、ここからの会話の盛り上がりによっては、グループステージ敗退もあり得る。

そう思い、いや、実際はワールドカップのことなど微塵にも考えていなかったが、席に座って、再び気を引き締めた。

 

僕はアボカドエビオムライスとホットレモンティーを頼み、会話を始めた。

仕事は忙しい?

「んー、そうでもないですね」

っていうか、仕事はどういう仕事なの? はは、ほら、パーティでは、バスケとフットサルのことしか話さなかったから。

「あ、あたし、プログラマーなんですよ」

えっ?

ええっ?

 

僕がここで尋常じゃなく驚いた理由は、二つある。

一つは、こんなにかわいくて、おしゃれなプログラマーを見たことないから。

もう一つは、僕もプログラマー的な仕事、勉強をしているからだ。

再び共通点を見つけるとは、ビビるしかない。

 

プログラムの言語は? と僕は聞く。

「えー、知らないと思いますよ」

いや、おれもプログラマー的な仕事、するし。

ABAPっていうんですけど」

はは、知らねー。

「SAPのアプリケーションの開発に使われるやつで。。。」

あー、SAPね。じゃあ経理系のソフトウェアのをやっているんだ。

「あ、そうです、そうです、今、まさに」

うちはSAP使っていないんだけど、おれはそんなかで、経理とかのシステムを作っていて。。。

「へー」

んで、家ではAndroidのアプリ作ったりしていて、公開したりもしていて。

「すごいですねー、独学ですか?」

うん、そうそう。まあ、シンプルなやつだけど。

 

それから、滑らかに、滑らかに会話が進んだ。

彼女の喋りはすごく速く、ハキハキ、堂々としており、彼女のことがどんどんわかってくる。

すると、彼女が、会社に属していない個人事業主だということがわかった。

「業務委託で、お客さんの所に行っているんですよ。だから、年末調整じゃなくて、確定申告を自分でやったりしていて」

あー、そうなの? うちの会社も、人材派遣と業務委託やっているんだよね。委託している個人事業主さん、結構いたりして。

「へー、そうなんですね」

あ、ちなみにね、パーティで一緒にいたT君は、IT系ではないんだけど、転職のコンサルタントで、派遣社員を持ったりしていて、お客さんの所で働いている人たちのサポートとか、そういうのをやっているんだよね。

「あ、そうなんですね。私もよく、担当の人とランチとか行っていますよ」

あー、まさしくT君もそんな感じ。結構サボってるけどね。はははは。

 

そんな風に、話が進むにつれて、ありとあらゆるところで、点と点が結ばれていく感覚がし、面白かった。

ああ、T君と銀座の恋活パーティに行ってよかったな。

持つべきものは、転職コンサルタントの友達だな。

あ、T君のイニシャルは転職コンサルタントから来ていないけどね。「とぼけた奴」からだけどね。

 

また、彼女の、社会人になってからの話を聞くのは、すごく刺激的だった。

高専を出てから入った会社は「かわいい子だから雇った」らしいし、バンダナの子も、その会社を選んだのは、「福利厚生が良いから」程度の理由だったらしい。

でも、それから、いろんな人と出会い、考えがガラリと変わって、個人事業主として、自分で自分の成果に責任を持ってプロジェクトをこなす道を、「結果を残せなければ仕事が回ってこない」道を、選んだのだという。

「自由だから、責任がある」という言葉が、印象的だった。

そして今は、プログラミングよりも、営業の方に携わって、いずれは経営側に立ち、独立したい、と、自信を持って語っていた。

そう語っている時、彼女の大きな目が、より大きく開いて見えた。

 

ここ最近の僕は、正直仕事のことで結構悩んでいた。

今の人材紹介会社では、T君を始めとした周りの人から好かれているし、必要とされているし、仕事もある程度やりがいがあり、楽しんでいる。

けれども、将来のことを考えると、もっと厳しい環境で揉まれた方が良い気がしていた。

僕よりも仕事ができる人がたくさんいるIT業界に行くか、それとも、今の会社で、IT系スキルが苦手な環境の中で、ITができるよ的存在であり続けるか。

問題は、どっちの道も、その先が一体どうなるか、あまりわからないことである。だから、迷っている。

そんな中、彼女の道を知ることができて、そして、その道を歩く彼女の姿形を見ることができて、ものすごく勉強になっていた。

 

俺、もっと頑張らなきゃだな。

とにかくそう思ったし、とにかく勉強したくなった。

作りたいと思ったアプリのアイディア、あったじゃん。

あれ、作ろうぜ。

Androidのアプリだと、iPhoneの友達がインストールできないから、ここ最近は、Web アプリを作る勉強してきたじゃん。

一つ、作ろうぜ。

そうすれば、俺にも道は見えてくるだろう。

そうすれば、自信がついて、IT系の企業にも挑戦できるんじゃないか。

 

やる気が、どんどんみなぎってくる。

脳の中で、ばちばちと音が立っているような感覚がした。

帰りたい。

今すぐ家に帰って、アプリ作りに取り掛かりたい。

もっと勉強したい。

 

すると、異変に気づいてきた。

バンダナの子が、だんだんと、かわいい女性として見えなくなってきた。

恋愛対象の目ではなく、同業者仲間の、尊敬の目でしか、バンダナの子が見えなくなってきた。

 

ま、まずい。

今、恋人探しのつもりが、仕事の道探しになっている。

これは、銀座の恋活パーティで、女性探しのつもりが、財布探しになった時に似ている。

一つのものしか一度に探せない僕の頭が、完全に仕事モードになってしまっている。

 

ごめん、ちょっと、お手洗い。

そう言って、僕はトイレを探し、駆け込んだ。

 

続きます。

 

ちなみに、僕の作ったAndroidのアプリはこちらでーす。是非インストールを!

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