madajimaとの会話

たまたまここを訪れてくれた方を一笑い吹かせるために、赤の他人との「どうでもいい会話」や自分の「どうでもいい思考」を載せています。

呂比須ワグナーの運注入! - アルビレックス新潟対コンサドーレ札幌 20170520

三浦文丈監督が辞任した時、「アルビはここ数年ずっと運が無い」ということを書いた。

呂比須ワグナー新監督が、そのどんよりとした悪い流れみたいなものを、日本刀の短い振りでスパッと断ち切ったような、そんなイメージが湧いている。

 

呂比須の初陣、今シーズンのこれまでと大きく異なっていたのは、前からボールを取りに行くのを、ほぼ諦めたことだ。

 

ぶっちゃけ、試合の面白さ的には、三浦監督の時の方が良かった。

フォワードもボランチも前からガツガツボールを奪いに行き、ハラハラ息を飲む展開。

ボールを取ったらすぐ、ホニを筆頭に相手の裏を狙う。

それを追いかけろと、怒涛のダッシュでみんながゴールへ迫る。

これが面白かったから、僕は三浦監督を擁護し続けていた。

「これを続ければいずれ結果が出る」と信じていた。

でも、その僕の見方は甘かったのかもしれない。

 

まず、新加入選手が多かったためか、FW、MF、DFの縦の連携の完成度を高められず、縦のラインがいまいちバラバラで、90分間安定して戦えなかった。

また、前への守備は強化されていたけど、クロスボールみたいな、脇の守備は弱かった。

トゲが何本も生えている盾だけど、トゲが生えていない方向からの攻撃を防げない、みたいな感じだった。

見た目は強そうだけど、真の実力の強さではなかったのだ。

 

その盾のイメージでいうと、今日の呂比須アルビの守備戦術は、柔らかくて厚いゴム状の盾だったかと。

盾をガツガツ押して行くのではなく、受けた攻撃を跳ね返すのを待つような感じだった。

トゲを出したくなるのをこらえて、常に前を向いて守備ができるよう、我慢していたと思う。

そして、ボヨヨーンと、そのゴムのバネでうまく跳ね返した形で、ホニのゴールが生まれた。

あの得点は、まさに、守備と攻撃がうまく重なり合った瞬間だった。

10分ほどうまく攻撃ができず、立て続けにゴールを脅かされていた時間帯、守備だけを考えていたのではなく、「跳ね返す」ことを選手全員が常に考えていたおかげだった。

「トゲ盾」よりも、盾をうまく武器として使えた瞬間だった。

 

ただ、ここで運の話が出てくる。

そのゴム状の盾が、よくもまあ、突き破られなかったな、と。

 

このゴム状盾のまずいところは、先制点を食らうと、盾が効果的でなくなるところにある。

0-1となれば、相手の攻撃を跳ね返そうにも、相手がそんなに攻めて来なくなるからだ。

 

その先制点を奪われそうな場面が、前半から何度もあった。

例えば、相手のセットプレーでは、スクリーンプレーで都倉賢が幾度となくうまくフリーになって、ヘディングシュートを打っていた。

だけど、シュートは枠を外れる、外れる。

ジャストミートして枠に飛んでも、ボールがアルビのディフェンダーの頭にたまたま当たったりしていた。

札幌の選手たちが「え? どういうこと?」みたいな表情をしていたのが印象的だった。

また、その他にも、明らかに札幌のコーナーキックだったのに、アルビのゴールキックと判定されたのが、3回くらいはあった気がする。

 

正直、今シーズンこれまで、こういう細かい判定だったり運の無さに泣かされていたのは、アルビの方だった。

また、都倉賢の試合後のコメント「決めきれなくて勝てなかった」は、ここ数年新潟の試合後インタビューの流行語だった。

だから、たまに、こういう風に新潟にツキが来る試合もあって、当然と言えば当然だ。

でも、このタイミングでそのツキが来るなんて、正直信じがたい。

 

このタイミングのこの勝利により、「残りの試合のうち半分で勝つ」という、信じられないような目標が「できるんじゃないか」「できたらカッコよくね」と実現可能に思えてきたのだ。

選手にとっても、サポーターにとっても。

そういうわけで、この今日のツキが持つ意味は、計り知れない。

 

そう考えると、先ほどの「ゴム状の盾」を使った戦い方が、アルビの「運を呼ぶ戦い方」なのかもしれない。

2012年、奇跡の逆転残留を果たしたときも、こんな感じだった。

史上最低の勝ち点で「たまたま」残留できた去年の終盤も、こんな感じだった。

呂比須監督が就任記者会見で「堅守速攻が新潟のDNA」と言っていたけど、もしかしたらもしかして、「弱肉強食の地球で、この種が生存するために受け継いできたDNA」みたいな、そういう生物学的な意味まで込めて「DNA」という言葉を使っていたのかもしれない。

 

何にせよ、運だけで勝てるほどJリーグは甘くない。

カイジみたいに、頭の良さや度胸、仲間との団結があってやっと、運の話が始まる。

この勝利に浮き足立つことなく、選手たちは落ち着いて練習、プレーしてほしいし、僕も「ざわ・・・ざわ・・・」と言いながら、温かく見守りたいと思う。