madajimaとの会話

たまたまここを訪れてくれた方を一笑い吹かせるために、赤の他人との「どうでもいい会話」や自分の「どうでもいい思考」を載せています。

2015年によく言われたこと

今年も多くの人に会った。その人たちとの会話の中で、僕の性格とか個性とかに触れることがもちろんあって、それを聞くたびにおもしろいな、と思ったので、ちょっと書いてみる。もしかしたら、これは僕にとっておもしろいだけであって、僕のことを知らない人にとってはいまいちよくわからないかもしれないので、これはボツネタの仲間入りをするかもしれない。
 
1、「おれ、おまえみたいになりてえわ」
ほめ言葉に見えるが、実はそうでもない。以下はその例だ。
10月頃、僕が転職活動をしているときに、長い付き合いの友だちと久しぶりに会って、つぶれかけのラーメン屋のカウンターでこんな話をしていた。
「え、どうして翻訳の仕事から急に会計とかに職を変えようとしてんの?」と友だちは聞く。
「とりあえず、うちの父ちゃん税理士じゃん。だから、元から多少興味はあって。んで、去年の10月ごろにもそこらへんの未経験者募集のところに応募してたんだ。落ちたけど」
「あー、そっか」
「そしたら、それから半年経った今年の4月に、そのときに使った人材紹介会社から連絡があって」
「ほうほう」
シンガポール人っぽい、おばさんっぽい声の人に『まだ職探してるの?』って電話で聞かれて、『あー、今の契約が11月末までだから、その後に良いところがあったら、って感じです』『以前応募したような、会計とか経理関係の仕事を希望しているの?』『んーちょっとわかんないですね。でも翻訳関係の仕事はもういいかな、って思ってます』『そうなのね。じゃあ是非、私を含めたうちのコンサルタントと会って、いろんな選択肢を持ってみたら?』『あーそれ、いいっすね』って感じで」
「ちょっと待って、その話長くなる?」
「大丈夫、短くする」
「長くなってオチが無いのはやめてくれよ」
友だちは話を聞きながらズルズルとラーメンをすすっている。
「で、実際に会ってみたのよ、新宿の高いビルの上の方で」
「はいはい」
「そしたら、全然おばさんとかじゃなくて、おれよりちょい年上のかわいい美女で」
「おまえにとっては誰でも美人だからな」
「まあいろいろ話すわけよ、おれのこれまでの職歴だったりとか、大学辞めた理由とか」
「ふんふん」
「英語だったってのもあるけど、すげー緊張してて、あんまうまくしゃべれなくて。あ、でもその美人コンサルタントが左手薬指に指輪をしていないのはちゃんとチェックしたんだけど」
「そういうところは省いていいから」
「困ったのが、『どんな仕事をしたい?』っていう質問で。もう全然答えられなくて。『じゃあ今の仕事で楽しんでいるのはどういうところ?』って質問を変えてくれたから、『あー、目の前に座っているアメリカ人翻訳者と、どーでもいい話をすることですかね。あ、あといろんな国籍の人と国際トークすることとか』って答えたら、『つまり、あなたは仕事を楽しんでいるんじゃなくて環境を楽しんでいるのね』って言われて、おれ『あー! 確かにー! 全然気づかなかったー!』って感じで」
「おまえアホだな」友だちは笑っている。
「んで、『でも、今のような国際的で楽しい環境に居続けた上でキャリアを積み上げたいなら、ちゃんとスキルを身に着けることが大事よ』って言われて。それから『あなたは会計に興味があるようだし、とりあえず簿記2級の資格を取ってみたら? あなたの英語スキルに簿記2級があれば、私たちは何個か職を紹介できるわ。確か、次の試験は6月よ』って言ってくれて。『んーでも、2か月で合格できるかな』っておれは言ったのね。そしたらさ、『You can do it』って言われて 」
僕はここで少し間を置いた。友だちがどんぶりから僕に視線を移す。
「そしたらもう、『あ、おれできるんだ』ってめっちゃ自信でてきて」
友だちは吹き出すように笑い、「おまえバカなんじゃねえの!」と言う。「そんなん、お前が職変えればそのコンサルタントが金もらえるから、そういう風に言ってるに決まってんじゃん」
それに対し僕は、「いやいや、美人に『You can do it』って言われて燃えないわけないじゃん」と当然のごとく言う。
友だちはまた笑い、「いくらなんでも単純すぎだろ」と言った後、「おれもおまえみたいになりてえわ。きっと人生楽しいだろうな」と吐き捨てるように言った。
 
2、「さわやか」
自分がさわやかだなんて言われたこともなかったのに、今年に入って僕のことを「さわやか青年」と呼び出す人、特に女性が急増し、非常に困った。
だってさわやかじゃないし。
自分は社交的では決してなく、むしろ内向的で、静かなのを好む。例えば週末、土曜日夜遅くまで外で友だちと過ごしていたら、次の日は誰とも会いたくない。本とか読んだり、ゲームをしたりする感じだ。
まあ確かにどんな状況でもおもしろい方にもっていこうとするし、笑いを模索するが、それはさわやかというより、へらへら、と言った方が良い気がする。
というかそもそも、さわやかの意味がわからない。そう言われるタイミングも様々だ。
「好きなタイプはどういう人?」「好きになった人が好きなタイプです」「さわやかー!」
「週末何してたの?」「ちょっと外走ってました」「さわやかだねー!」
「犬と猫どっち派?」「どっちかっていうと犬ですね」「えーどんな犬?」「柴犬ですかね」「さわやかー!」
上のそれぞれの発言者が違う、っていうのも興味深い。と、なると、彼女たちは僕の見た目で適当にさわやか、と言っているに違いない。「かっこいい」と言うと気があると思われるし、「かわいい」だと僕の顔面には合わないので、消去法でさわやか、が選ばれたんだろう。
ただ、僕が人の質問に対して上記のようなことを言っているのに変わりがないのに、今年からその四文字が使われているのは、何か理由があるはずだ。
そう考えてみると、思い当たる節が少しある。
僕の服の色だ。
例えば、今僕はスタバにいるのだけど、オレンジ色のアディダスのジャケットを着ている。服装自由だった前の仕事場では、赤とか水色とかピンクのシャツをよく着ていた。
それにより、「あ、明るい色が好きなんだな」「あ、つまりあの人は誰とでも仲の良い明るい人なんだな」「あ、ということは、さわやかなんだな」という風に矢印を進んでいったに違いない。
ただ、よく考えてみれば、そもそも僕が明るい色を着始めたのは、明るい、ポジティブな人間になりたい、と思っていたからだった。確かに、「今年はもうちょっと笑顔あふれる人間になって、もっといろんな人に会って、たくさん人に話しかけて、たくさん笑える年になればいいな」とか今年の始めに思っていた。「自分をどんどん変えていけたらいいな、うふふ」とか目論んでいた。つまり、途中までは僕の狙い通りなのである。女性たちが途中で矢印を止めて、「明るい人ですね」と言ってくれれば、成長の証であるため僕はハッピーだったのだ。なのに、なぜか行き過ぎて、なぜか「さわやか」という単語に着陸してしまい、僕の中でいまいちな感じになったのだ。
ということで、さわやかになりたい人には、とりあえず明るい服を着てみることをおすすめします。
そして、さわやかではなく明るい人になるにはどうしたらいいか、アドバイスをお願いします。
 
3、「なんで彼女いないの?」
1で話した転職活動が功を奏し、僕は無事に立派な会社に入社した。
ついでに話しておくと、その4月の面談から半年後、僕はその美人コンサルタントがいる人材紹介会社内の経理というか人事のポジションをオファーされ、面接に受かり、11月半ばから働いているのだ。社内の美人コンサルタントは、その僕の担当以外にも数多くいる、という話はまた今度にさせていただきたい。
とにかくその最初の週、僕は社内のイングランドコンサルタント、略称イングタントと昼食でフィッシュ・アンド・チップスを食べに行った。
「おいmadajima、結婚しているか?」イングタントは席に着いて早々、その質問を投げかけた。「いやいや」と僕は即答する。結婚しているような見た目をしているのか、と驚く。
「いや、社内にそういう情報を知りたがっている女性がいるから」と彼は笑う。
あー、またそれか、と僕は思ってしまった。確かに僕は日本人の平均より背が高いし、細身だからある程度かっこよく見えるかもしれない。また、僕ほど若い日本人があまり社内にいないから、そこそこ目立つのかもしれない。だが、残念ながら近くで見るとそうかっこよくもないのだ。だから、うきうきした顔で僕に近づき、話しかけてくれた女性が、少し残念そうな表情で僕のもとを去る、ということをよく経験していた。わかってはいるが、地味にショックである。
「じゃあ彼女は?」とイングタントは楽しそうに質問を続ける。
「いないよ」
「最後にできたのはいつ?」
「2年前にルーマニアで、2週間だけ」
ルーマニア滞在時の他の話は店に来る道中で話していたので、イングタントはここでは徹底して僕の女性関係についての質問を続ける。
「どうやって付き合ったの?」
「彼女は日本語すげーうまくて、でも日本人の友だち特にいないからすげー日本語話したがってて」
「それを利用して関係に持ち込んだわけか」イングタントは僕の話をさえぎってカッカッカと笑う。反論しようとしたが、あながち間違ってもいないのでできなかった。
「じゃあどうすんの? 彼女欲しくないの? またそのパターンで社内の子と付き合えばいいじゃん」
「んー」僕は常に、彼女が欲しいというか、誰かを好きになって、そしてその人と付き合いたい、という順序の心持でいたから、返答に詰まった。
「っていうか、なんで彼女いないの?」イングタントは僕の答えを待ち切れず、違う質問をする。
僕は笑うしかなかった。そんなこと、あまり考えたことがなかったからだ。
苦し紛れに僕は「おれよりかっこいい人が、この世にいっぱいいるから?」と答えると、イングタントは、こいつつまんねえな、とでも思ったのか、話題を仕事関係の方に移していった。
ランチは無事に楽しいムードで終わったけど、それから、なんで彼女がいないんだろう、という疑問を、僕は自分の頭の中で繰り返していた。
誰かを好きになっても、告白しようと思っていた前々日にその子に彼氏ができちゃうから? その子のお父さんがガンになってしまい、恋愛どころではなくなってしまうから?
まあ過去に起きたことは置いておこう。
理由としては、単純に、僕が考え過ぎているから、だと思う。
かわいいと思う人はいる。そう思った人に、好かれてもらうこともある。けれども、いろんな疑問が頭を駆け巡るのだ。「その人と時間を多く過ごすということは、ある程度その人みたいになってしまうということだ、そうなっていいのか?」「その人は、かわいいだけで周りからちやほやされて満足して、向上心のない、現状に甘えた子じゃないのか?」「その人は、自分に彼氏がいる、というステータスを保ちたいだけじゃないのか?」「その人は僕のことを『あ、英語ができるから旅行で超役に立つじゃん!』とか思ってるだけじゃないのか?」「そんな子が、果たして僕の人間としての核の部分を好いてくれるのか?」「100%確信が無いままその人と仮に付き合って、それから超好きな人が現われたら、自分も、そしてその付き合った女性もつらい思いをしてしまうのでは?」
女性はそんな思考を「けっ、草食男子め」と嫌うかもしれないけど、僕個人の意見からすれば、これらはアクションを起こす前に考えて当然のことだ。この女性の人間としての本質の部分が好きだ、とか、この人と一緒に時間をたくさん過ごして、一緒に成長していきたい、一緒に幸せを得ていきたい、とか、そういうふうに自分が思うようでなければ、わざわざ時間とお金を費やしたくない、行動を起こしたくない、つまり付き合いたくない、ということだ。
それに、自分がそういう魅力的な女性に会った時のために、転職活動や資格勉強を必死にしてステップアップを目指し、わざわざ派手な色の服を買って明るくなろうと努力してきているから、別に、彼女なしで一人でいることをそこまでネガティブに捉えていない。
だから、件の質問の答えとしては、「付き合っている人がいないときはいないなりで、自分は成長しているから、それはそれでいいのだ、と僕が納得しているから」、となる。
僕は、以前にこういう自分の考えを友人に話したことがある。そしたら、こう言われた。
「おまえ、めんどくせえな」
これは、毎年いろんな人によく言われていることだ。