madajimaとの会話

たまたまここを訪れてくれた方を一笑い吹かせるために、赤の他人との「どうでもいい会話」や自分の「どうでもいい思考」を載せています。

2015年を振り返って

小学校の頃、伝記を読むのが好きだった。雪国で育った僕は、冬はそれくらいしかできることがなかった。
エジソンだのニュートンだのアインシュタインだの、そういう偉人たちの一生が書かれた漫画シリーズを、図書館で借りては読んでいた。
違うクラスの友だちも同じことをしていて、感想を言い合うこともし始めた。そしたら、ある日の昼休み、彼が僕のところまで来てこう言った。
「ねえねえ、この人すごいこと何にもしていないのに、伝記になってるよ」
そんなわけがない、と疑いつつ、僕はその本を受け取り、残りの昼休みを使って読み始めた。
横に友だちが立って待っている状態で読んでいたため、少々急ぎ足になってしまったが、読み終えた僕は、「確かにー!」と激しく同意した。
それは、アンネ・フランクの伝記だった。
「この人、何もしてなくない?」と友だちは主張した。「日記書いてただけじゃん」
おかしいな、絶対なんかしたはず、じゃなきゃこんな立派な本にはなっていない、と僕は考えていたが、もう一回見直しても、最後のページをめくった後の「え? これで終わり?」という感覚は消え去らなかった。
学校が終わり、家に帰った僕はお母さんに尋ねた。「お母さん、アンネ・フランクって知ってる?」
「知ってるわよー」
「あのね、今日アンネ・フランクの伝記を読んだんだけど、この人の何がすごいかわからなかったんだ」
母はそのあと必死に説明しようとしたが、ナチスのことやユダヤ人迫害のことをそもそも背景として知っていなかったため、そしておそらく漫画の中でのそういう説明部分を僕が読み飛ばしてしまったため、僕が納得することはなかった。
他の伝記では、偉人たちの人生は「何かのために何かをやろうと思い、頑張り、そして成し遂げる」という方程式にはまっていたため、アンネ・フランクの「日記を書いてて、それが読まれた瞬間有名になった、それも死後に」という、そもそも何かを成し遂げようとする意思が欠けていることに違和感を覚えた。
そして当時の僕はこう思った。
おれも日記を書いて、いつの間にか誰かに読まれて、有名になりたいな、と。
かくして僕は日記を書き始めた。引き出しにあった未使用のノートを引っ張り出し、書き始めた。
ただ、夏休みの日記も10日に一回しか書かなかった僕は、3日ほどでやめてしまった。
「やっぱアンネ・フランクはすごいな。毎日日記を書くなんてすごいんだな」とは思わなかった。有名になろうという欲より、ゲームをしたいだのテレビを見たいだの、といった欲望が勝っただけだった。
とはいえ、それがすべての始まりだったはずだ。
おもしろいことが起きたとき、インスパイアされたとき、やる気に満ち溢れているとき、ありえないくらい悲しいとき、ノートに自分の気持ちを書き留める癖がつき、それからmixiを始めて、わずか10人の全友だちが毎回僕の日記おもしろいだのつまらんだのいちゃもんをつけるようになり、それから、サッカーの英文記事を翻訳するブログを立ち上げて、身の回りの事、もっぱらとある女の子のことも書くようになったら、ピーク時には1日1000アクセスを集めることとなった。いろんな理由があってそのブログは閉鎖したけど、「生きていてよかったです」「このブログが楽しみで毎日がんばってます」という類のコメントを見た時の感動を思い出し、このブログを始めた。
だが、ご覧のとおり、小学生のときから僕は大して変わっていなかった。今年1月に始めて、最初は「1週間に1回アップしていこう」と思っていたらすぐに「1か月に1回かな」と考えを改め、結局それも守れず、なんと半年近くも間を開けてしまった。
ただ、今年1月の僕の書いた日記を見たら、結構笑ってしまった。自分で書いたのに、自分に起きたことなのに。
また、今年の自分の手帳を開いてみたら、これまた笑ってしまった。そっか、このときはそんなこと考えてたな、こんなことあったっけ、といった風に、過去の自分と思い出話をしているようだった。
そして僕は思った。
おれ、アンネ・フランクになれるんじゃね。
自分に起きたことを適当に書いていけば、いずれ「おー! こいつの日記は後々の世代に伝えていくべき文化だぞ!」というふうになるんじゃね。アンネみたいに。
とはいえ、死んだ後に有名になっても遅いので、このブログをできるだけ頻繁にアップデートし、ツイッターとかもやりながら、できるだけ多くの人の目に触れる努力をする必要があるんだろう。
2015年もいろんなことがあった。たくさん失敗したし、たくさん悲しくなったし、たくさん笑った。
最近、精神的にひと段落ついたというか、考えることがなくなったというか、なんとなく気持ちがすっきりしたので、とりあえず、今年起きたことをちょっとずつ振り返っていきながら、アンネを目指そうと思っている。
応援よろしくです。