madajimaとの会話

たまたまここを訪れてくれた方を一笑い吹かせるために、赤の他人との「どうでもいい会話」や自分の「どうでもいい思考」を載せています。

国内海外組、madajima その8

その1はこちら

あらすじは↓

ヘッドハンターズカップの決勝戦、マダレンジャーはmadajimaのアシストで1-0とリードした。

大会の行方は?

そして、大会後の行方は?

 

 

頭の中が真っ白だった。

僕が、あのmadajimaが、ゴールキーパーのパスをインターセプトし、1人かわして、右サイドからクロス。

それを、レッドが叩き込んだ。

うおっ、すげ。

勝てる。勝てるよ、これ。

俺だ。

俺の、俺のおかげで、勝てるよ、これ。

もうすぐで前半終わりでしょ?

絶対、相手の攻撃は防げるよ。

 

シャー! と柄にもなく叫んでしまった。

盛り上がっている同僚たちに対して「カモーン!」と拳を突き上げてしまった。

もちろん、みんな黄色い声援をレッドに送っているので、誰も僕に気付いていない。

 

自分の陣地に戻り、レッドに駆け寄って、ハイタッチをした。

でも、レッドは、もう次のプレーに集中している。

ハイタッチをした時、僕の顔すら見なかった。

 

え?

「ナイスアシスト」とか言ってくれないの?

ま、良いや。

俺も次のプレーに集中しよう。

試合直前のミーティングで言っていた通りに、まずはしっかり前半を終わらせよう。

 

よりボリュームが上がった声援を背に、僕らは安定したプレーを続けた。

しっかりボールを繋げて、ゆっくりと、相手に勢いを出させないようにプレーした。

話し合った訳でもないのに、誰が指示を出したわけでもないのに、そこはみんなでよく分かっていた。

 

ここで、僕はパープルに代わった。

相手はレッドのカウンターを警戒しているのか、あまり前がかりになって攻めてこない。

ま、まだ前半だしな。

疲れが少ない選手がプレーした方がいい。

 

そして、僕たちのコーナーキックになった。

案外、ボールを持てて、案外、攻めることができる。

もちろん、こういう時が危ないので、「カウンターに気をつけろ!」と声を出すが、あまり不安にはなっていない。

 

コーナーキックを、ブルーが蹴った。

そのボールは、キーパーに直接キャッチされてしまう。

キーパーは、急いで攻めようと、ボールを近くのチームメイトに投げた。

だが!

ホワイトがそれを狙っていた。

先ほどの僕と同じような感じで、インターセプトをする。

そのまま、ホワイトがゴールに向かってドリブルした。

キーパーが慌ててスライディングで突っ込み、ボールを取ろうとする。

それを見たホワイトが、左足でボールをチップキックをした。

ボールは、ゴールキーパーの上を舞い、ゆっくりと、ゴールネットに吸い込まれた。

 

ふわり。

パサ。

そんな漫画みたいな表現がピッタリだった。 

 

うおおおおお!

2-0!

この追加点はでかい!

ベンチの僕たちは全員でガッツポーズした。

 

前半、2点リードで、一気に優勝に近づいた。

なんだか、俺の1点目のアシストの重要性が小さくなってしまったけど、優勝に勝るものはない。

あとは、耐えるだけだ。

 

ちなみに、芸術的かつ重要なゴールを決めたにも関わらず、ホワイトは喜ぶ素振りすら見せない。

淡々とジョグをし、自分の陣地に戻っている。

すげえな。

僕の方が100倍喜んでいる。

 

このまま早く終われ。

とりあえず、早く、前半終われ。

 

ぴっぴー!

やがて笛が鳴り、やっとコートチェンジになった。

 

僕は、ホワイトのところに駆け寄り、「疲れ、大丈夫? 後半代わろうか?」と聞いた。

「ああ、そうだな、頼む」

ホワイトは険しい表情をしている。

それでもあのチップシュートを決めたのだから、大したものだ。

 

だが、様子がおかしい。

ホワイトではなく、周りの様子がおかしい。

テクニシャン軍団の選手たちは、中央に集まって、頭を落としている。

ピッチの外にいる同僚たちは、やたら喜んでいる。

 

ホワイトが、審判のところに寄って、「あれ、後半は?」と聞く。

「いや、今ので終わりだけど」

 

え?

今ので終わり?

うおおおおおお!

 

やっとマダレンジャーの選手たちに事実が伝わった。

優勝だ!

俺たち、優勝したんだ!

 

僕たちは輪になって肩を組み、ひたすら喜び合った。

「どうりで前半長いと思ったんだよ」と言いながら、めちゃくちゃ喜んだ。

 

テクニシャン軍団と握手をし、みんなで記念写真を撮って、僕たちは同僚たちのところに戻った。

「やったな!」

「喜ぶの遅れてんじゃねーよ!」

「得点に絡んだじゃん!」

「ホワイトすごかったね!」

「あれ、madajima試合に出てた?」

 

みんなで喜び合っていた。

レッドが一番人気で、女性社員たちに囲まれている。

ブルーとイエローとグリーンは、観戦に来ていたそれぞれのガールフレンドと話している。

ホワイトは、元同僚と思われる相手の選手と話している。

僕とブラックとパープルは、余ったビールをもらって喜んでいる。

 

ちなみにピンクは、いつの間にかどこかに行ってしまった。

まだ、おめでとうも言われていない。

ツンツンデレと来て、最後はツンでしたか。

もう一回、デレが欲しかったわ〜。

 

そして、解散した。

何人かは飲みに行ったようだったが、マイペース軍団の僕たちは、全員別行動で帰路についた。

 

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今振り返れば、だが、これ以降、マダレンジャー全員が顔を合わせることは、もうなくなった。

イエローは、大会の2日後に辞表を提出し、より大きな会社に転職した。

レッドは、2週間後にリバプール支社に異動になった。

きっと、優勝メンバー全員でフットサルを一緒にすることは、もうないだろう。

優勝する前も後も、僕たちみんなマイペースである。

 

あれが最後だったと思うと、ものすごく寂しい。

でも、だからこそ、優勝してよかったな、と心の底から思う。

普段はバラバラな人間たちが、チームのために、優勝という目標のために、力を合わせて勝利をもぎ取ったのだ。

生まれも育ちも全然違う人間たちが、同じものを目指して勝利をもぎ取ったのだ。

  

僕は、これを忘れたくないな、と思った。

大会が終わった後の嬉しさを、思い出せる時に思い出したいな、と思った。

あの寒い夜を。あの熱い声援を。

レッドが、ゴールを決めて大股でスキップしていた姿を。

ブルーが、ゴールを決めて一切喜んでいない姿を。

イエローが、緊張で全然プレーできなかった姿を。

グリーンが、クロスボールを見送ってゴールにした瞬間を。

ホワイトが、身体を張って守備をし続けた背中を。

ブラックが、初戦でコーナーキックから独特なタイミングでゴールを決めた時を。

パープルが、緊張しながらも必死に戦っていた姿を。

ピンクが、「私、負けるの嫌いだから」と言った時の表情を。

 

そんな感じで、このシリーズを書かせてもらいました。

マダレンジャーは解散したけど、madajimaは永遠に不滅なので。

 

ま、正直、もう少し、早くこのシリーズを書けたら良かったと思いますね。

そうすれば、僕もハリルホジッチ監督の目に留まり、日本代表に召集されて、日本を勝利に導き、解任されずに済んでいたかもしれないのだから・・・。

ハリルホジッチ解任の時は、心が折れそうになりました・・・。

僕のブログ更新が遅いせいで・・・。

 

とにもかくにも、読んでいただき、ありがとうございました!

また次のシリーズをお楽しみに〜。